工場から出るゴミ“余剰汚泥”を肥料に変えて売却
――排水処理の過程で出る“ゴミ”を肥料に変え、売却できるようにしたということですが、どうしてこの研究をすることになったのですか?
入社6年目に「環境」について研究しろと言われました。具体的にこれをやりなさいということはなく、環境にいいことをということでした。そこで、工場から出るゴミを調べると、ワースト3が「余剰汚泥(おでい)」「動植物性残渣(ざんさ)」「廃棄プラスチック」だったんです。さらに調べると、余剰汚泥は肥料にできるということがわかりました。
――余剰汚泥とは、どういったものですか?
排水処理の過程で出る産業廃棄物です。プリマハム茨城工場はハム・ソーセージの生産が中心で、機械の掃除や肉の解凍などに大量の水を使います。使った水には、たんぱく質や脂分などの肉の汚れが含まれます。それを浄化槽で処理をして、きれいにしてから河川に放流しています。
水をきれいにする過程では、微生物が活躍しています。空気を送ると、水の中にいた微生物が元気になって、汚れをむしゃむしゃ食べ始めます。食べたあと、微生物は死んでしまい、死骸が沈殿します。それが余剰汚泥です。茨城工場の汚泥は微生物の固まりで、植物が育つために必要な栄養が豊富に含まれていたんです。
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