――肉を分解する微生物を見つけたときの感動はひとしおだったのではないですか?
私どもは肉屋なので、微生物の研究は手探りでした。ですので「こんなものかな?」という感覚で感動はありませんでした。それよりも、感動したのは「買ってくれる」と言われたときですね。研究所なので、営業もいません。自分たちで営業に行くのですが、不慣れなんです。モノを売るって、作るのも大変ですけど、売るのも大変なんだなというのがよくわかりました。
「微生物は裏切らない」実験結果が仕事の楽しみ
――ワーストの3つ目「廃棄プラスチック」ですが、これは対策できたのでしょうか。
プラスチックを微生物で分解することは難しいです。ですので、クリアファイルに再生してみました。コスト的に考えて宣伝効果しかありませんが、どのゴミを使うか、何を作るか、デザインはどうするかなど、全部自分たちで考えて、やらせてもらえました。恵まれている業務だなと思います。
プラスチックは今後の課題です。今まで行ってきた「環境」への取り組みは、今後はSDGs(エスディージーズ:豊かさを追求しながら地球環境を守るための国際目標)に広げていかなくてはなりません。今は、そこに向けて検討しています。
――研究職の楽しさは、どういうところにあると思いますか?
微生物の実験は、すぐに結果は出てきません。結果が出る日は、会社に行くのが楽しみになります。研究という仕事のいいところは、自分が興味を持っていることを会社に来て確認できることにあると思います。
核となる実験結果が出るときは、出社して真っ先に実験室に行きます。仕事ですから、雑務などはおもしろくないと感じることもありますが、実験結果は、誰の干渉も受けずに、結果は結果として出てきます。微生物は裏切りませんから。
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