最多は55~59歳、年9.9万人離職する介護の実態

「介護と仕事」の両立なんとも厳しい現実

過去1年間(2016年10月~2017年9月)に介護・看護のために前職を離職した人は9.9万人(男性2.4万人・女性7.5万人)です。年齢階級別にみると55~59歳が2.0万人と最も多く、そのうち女性が1.6万人で約8割を占めています。

過去1年間に介護・看護のために前職を離職した人を就業状況別にみると、パート・アルバイトの女性が4.2万人と最も多く、介護離職をした男女9.9万人のうち42.1%を占めています[総務省「就業構造基本調査」(2017年)]。

介護離職者の実態

次に、明治安田総合研究所とダイヤ高齢社会研究財団の共同調査「仕事と介護の両立と介護離職」を基に実際に介護離職をした人の実態を見てみます。

何がきっかけとなって離職を決断したかについて、勤務先を辞めて転職した「転職者」と、勤務先を辞めて介護に専念している「介護専念者」にたずねました。

転職者の場合、「自分以外に親を介護する人がいない」とした回答が男女ともに最も多く、男性22.6%・女性20.6%となっています。介護専念者の場合も同様に、男女ともに「自分以外に親を介護する人がいない」とした回答が最も多く、男性26.0%・女性21.3%で、いずれも転職者を上回っています。

兄弟姉妹数の減少や未婚化により、介護の担い手が減少し、「自分以外に親を介護する人がいない」割合は今後さらに高くなることも懸念されます。

次に、介護に専念した女性のきっかけのうち、「自分で親の介護をしたかった」が20.6%で、「自分以外に親を介護する人がいない」とほぼ同じ割合でした。逆に介護に専念した男性は12.1%と女性よりも低くなっています。一方、転職者では、「自分で親の介護をしたかった」は男性9.0%、女性11.0%とほぼ同じ割合でした。

転職した女性では、上記のほかに13.5%の女性が「仕事と介護の両立に精神的限界を感じた」ことも特徴的です。また、「これ以上会社にいると迷惑がかかると思った」9.7%、「職場で仕事と介護の両立に理解が得られなかった」9.7%と、職場で感じた精神的苦労が転職のきっかけとなるケースが目立っています。

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