国内では、日本マイクロソフト社が2016年から就業規則を見直し、時間や場所にとらわれない働き方を実践。全社員を対象としたワーケーションを導入したことで知られています。
日本航空は2017年夏から働き方改革の一環として採用。現在は、月間で最大10日間のワーケーションが利用できるというものです。年次有給休暇の取得促進とともに、旅先での業務を認めることで仕事に対するモチベーションアップや心身のリフレッシュなどの効果が期待されています。
【2019年5月31日18時30分追記】初出時、ワーケーションの利用日数について間違いがありました。表記のように修正しました。
せっかくの休みに仕事?
一方で、「せっかくの休みに、なぜ仕事をするのか?」という意見もあります。確かに、短期の旅行や休暇であれば、仕事は持ち込まず、しっかり休みを取ったほうがいいとは思います。ただ、長期での休みは取りにくい、という場合、ワーケーションを利用することで休暇が取得しやすくなるかもしれません。
実際、ワーケーションという言葉が知られる以前から、実務上ではこうしたご相談は時々ありました。例えば、海外旅行を計画していた社員から、基本的には有給休暇を取るものの、業務上の必要がある仕事だけを現地で何日か、1日数時間から半日程度行うことはできるだろうか、というもの。
会社のスタンスもありますが、安全面や労務管理上の問題がクリアできるのであれば可能と言えます。制度化すれば、社員にとっても休み方の選択肢が増えるでしょう。
例えば、金曜日から週末を利用して1週間海外旅行へ行き、そのうち平日1日のみリモートワークをしたとします。この場合、土日の公休日を除いて4日間は年次有給休暇を消化し、1日を就業日とするようなやり方です(会社制度にもよります)。
身の安全はもちろん、ネットワーク環境のセキュリティ面においても安全性を担保することは言うまでもありませんし、こうしたリモートワークを可能とする就業ルールの見直しや勤怠管理できるシステムなども必要となってくるでしょう。
世界遺産やリゾートを旅しながら、好きな場所で好きなときに仕事をする。普段とまったく異なる場所で働くことで、新しいアイデアが生まれたり、イノベーションのきっかけとなったりすることも大いに期待できます。リモートワークの究極の形と言えるでしょう。
もっと言えば、仕事と余暇の垣根もなく、毎日の生活を楽しめることが理想といえるのかもしれません。日本では高度経済成長期から長く、仕事に合わせて住む場所や生活様式が自然と決まってしまうところがありました。
しかし、通信技術の発達なども加速し、今後は個人のライフスタイルに合わせて働き方を選択する時代へ、緩やかにシフトしていく……それが人生100年時代の働き方になっていくのかもしれません。
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