「数字の見積もりが速い人」の秘密の計算術 知っておくと役立つ「フェルミ推定」の基本
フェルミ推定の考え方とは
フェルミ推定とは、「琵琶湖の水は何滴か?」「ウインブルドン・センターコートの芝生の本数は何本か?」「富士山をトラックで移動させるためには2トントラックが何台必要か」「日本の電信柱の本数は何本か」といった一見、荒唐無稽な設問を短時間で回答する方法論です。その実践者であるエンリコ・フェルミの名前が由来となっています。最近では入社面接で質問されることもあり、すでにご存知の方も多いかもしれません。
実際にフェルミ推定のケーススタディーの演習をしてみましょう。
お題は「日本全国の電柱の数を考える」。計算に使っていいのは四則演算(+、-、×、÷)だけ。当然ですが、インターネットなどで調べるのはNGです。
まず、どのように考え始めるべきでしょうか?
実は、フェルミ推定には「答え」がありません。単に回答を見つけるのではなく、複数の回答シナリオから最適な方法を見つけることがポイントで、推定する方法はたくさんあるのです。どれが妥当解かというよりも、より多くのシナリオを考え、その中から精度が高く、簡単に計算できるものを短時間で見つける、いわばゲームです。
例えば、電柱は家庭や企業に電気を送るものであるので、企業数と家庭数から想定できるのではないかと仮定する。電柱はたいてい道路にあるのではないかと仮定して、道路の長さから考える。または、人口と相関性があると仮定するなど、さまざまな方向から考えることができます。
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