「数字の見積もりが速い人」の秘密の計算術

知っておくと役立つ「フェルミ推定」の基本

ビジネスにおいて、瞬時の数学的判断が要求される場面に役立つ「フェルミ推定」を解説します(写真:Ca-ssis/iStock)
上司に自信たっぷりの提案をしたところ「で、それでいくら儲かるの?」と突っ込まれて、頭が真っ白。そんなときに、あなたは瞬時に答えられますか? 
こんなとき有効なのが、短時間におおよその数字を見積もることができる「フェルミ推定」です。この「フェルミ推定」は、外資系コンサルだけでなく、近年では国内の大手企業の入社試験でも出題されることもある、ビジネスで大いに役立つスキル。事業開発、マーケティングなどを手掛ける元リクルートの中尾隆一郎氏に、数字が苦手な人でもわかるフェルミ推定の考え方や、ビジネスでの役立て方を聞きました。

フェルミ推定の考え方とは

フェルミ推定とは、「琵琶湖の水は何滴か?」「ウインブルドン・センターコートの芝生の本数は何本か?」「富士山をトラックで移動させるためには2トントラックが何台必要か」「日本の電信柱の本数は何本か」といった一見、荒唐無稽な設問を短時間で回答する方法論です。その実践者であるエンリコ・フェルミの名前が由来となっています。最近では入社面接で質問されることもあり、すでにご存知の方も多いかもしれません。

実際にフェルミ推定のケーススタディーの演習をしてみましょう。

お題は「日本全国の電柱の数を考える」。計算に使っていいのは四則演算(+、-、×、÷)だけ。当然ですが、インターネットなどで調べるのはNGです。

まず、どのように考え始めるべきでしょうか?

実は、フェルミ推定には「答え」がありません。単に回答を見つけるのではなく、複数の回答シナリオから最適な方法を見つけることがポイントで、推定する方法はたくさんあるのです。どれが妥当解かというよりも、より多くのシナリオを考え、その中から精度が高く、簡単に計算できるものを短時間で見つける、いわばゲームです。

例えば、電柱は家庭や企業に電気を送るものであるので、企業数と家庭数から想定できるのではないかと仮定する。電柱はたいてい道路にあるのではないかと仮定して、道路の長さから考える。または、人口と相関性があると仮定するなど、さまざまな方向から考えることができます。

次ページ日本の電柱の数を割り出すには?
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 日本と中国「英語教育格差」
  • 検証!ニッポンの労働
  • 岐路に立つ日本の財政
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
スペシャルインタビュー<br>元ラグビー日本代表・畠山健介

今年から米メジャーリーグ・ラグビーのチームに所属、華やかな選手生活とは裏腹に幾多の葛藤を乗り越えてきた畠山選手。「ラグビーファンの拡大には、リーグのプロ化が不可欠だ」。新天地にいる今だから見えてきた日本ラグビー改革論を熱く語ります。