「できない1%の人」を捨てる組織が弱いワケ 出口治明氏と繁盛店の店主が語る「チーム論」
「出戻り社員」を歓迎する理由
出口治明(以下、出口):アメリカの社会学者、ロバート・D・パットナムは、『われらの子ども 米国における機会格差の拡大』という著書の中で、“ゆるいつながり”が人生を豊かにすると言っています。例えば、弁護士の知り合いがいたら、ちょっと困ったことがあったときに聞くことができるし、お医者さんの知り合いがいたら病気になったときに聞くことができますよね。
富裕層の人たちはそうした“ゆるいつながり”を、いろいろな分野のいろいろな人たちと持つことができるというわけです。
僕はパットナムの本を読んで、なるほどと思いましたが、せかいさんの新しい著書『誰でもすぐに戦力になれる未来食堂で働きませんか ゆるいつながりで最強のチームをつくる』を読んで、“ゆるいつながり”にはもう1つの意味があることに気づかされました。
自分とまったく接点のなかった人であっても、さらに言えば特別な知識や技術を持っていない普通の人であっても、ゆるいつながりを持つことによって、助け合い、一緒に何かを作り、1人を乗り越えていくことができる。これがもう1つの「ゆるいつながり」ですね。
小林せかい(以下、せかい):ありがとうございます。出口さんも、以前、ライフネット生命で働いていた方が別の会社に行って、別の会社でいろいろ経験を積んだ後、またライフネット生命に戻ってくるというのもオッケーだとおっしゃっていました。それもまたゆるいつながりですよね。