「数字の見積もりが速い人」の秘密の計算術

知っておくと役立つ「フェルミ推定」の基本

企業関係の数値を把握する際は、経済産業省のホームページが便利です。例えば「平成28年経済センサス・活動調査 産業横断的集計」という資料があります。これは2018(平成30)年6月に出された資料で、前回調査の平成23年のデータとの比較がわかります。

こうした数字が読めれば、景気動向も見えてくるようになります。
もちろん、「現在の営業人数のままで売り上げを5%アップできないか」といった社内の課題なども、フェルミ推定で考えることができるのです。

やるべき仕事が即座に判断できるようになる

リクルート時代、今から20年ほど前に筆者が広告制作の子会社に出向していたときのエピソードです。その当時の上司とのやりとりで「フェルミ推定はすごい」と体感したことがありました。

この子会社では、たくさんのアルバイトを募集していました。それと同時に、別の部署では仕事がなくなったからとアルバイトに辞めてもらうことも少なからずありました。すると、ある部署でアルバイトの募集をしているのに、別の部署でアルバイトに辞めてもらっているということが起きていました。全社という視点で考えると、何だか非効率に思えたのです。

私は、この子会社の本部組織にいたので、この事実に気づいていましたが、現場は自分たちの組織のことしかわからないので、気づいていません。

この非効率性を改善するために何かできないかと考えました。それには、ある部署で辞めるアルバイトを、新たに募集が必要な部署に異動してもらえばよいのです。

それができれば、会社もアルバイト個人もメリットがあると考えたのです。会社にとっては、採用コストも導入・教育コストも削減できます。アルバイトも、途切れなく働けますし、新たに会社のことを知る時間を削減できるメリットがあります。

ただ、少し考えてみるとわかるのですが、必要な職種によってアルバイトに求められるスキルが異なります。また、ある部署でアルバイトが必要なタイミングと別の部署でアルバイトが辞めるタイミングが異なるケースが大半かもしれません。つまり、職種とタイミングを合わせられるかという課題は残りそうでした。

ただ、そうだとしても、大量にアルバイトを採用していましたので、採用コストや教育コストなども考えると無駄にしているコストはかなりある、とフェルミ推定できました。

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