子どもの「好き嫌い」がなくならない3つの理由 なぜ「うちの子は食べ物を残してしまう」のか
食べ物の好き嫌い、皆さんもありませんか。大人になってもなぜか避けてしまったり、においを嗅いだりするだけで鼻をつまみたくなる食べ物。例えば、人参やピーマン、ほうれん草やレバーなど……人によってさまざまな好き嫌いがあると思います。
じつは好き嫌いには根本的な原因があるのです。それは幼少期の食経験が大きく関係しています。今回のコラムでは、小さいお子様がいる方にはぜひ知ってもらいたい「好き嫌いがなくならない理由」、そして「好き嫌い予防策」をご紹介したいと思います。
給食は残さず食べるのに…
料理家として私は日々、さまざまなお客様にコース料理やパーティー料理を作ったり、新しい料理を考えたりしています。そのベースにあるのは「給食」です。
私は12年間で計150万食以上の小学校給食を調理してきました。学校給食というのは、文部科学省から出されている「学校給食実施基準」に合わせて、さまざまな食材をバランスよく、さらにおいしく、子どもの成長をサポートするように考えられています。
子どもたちはそんな給食が大好きです。毎日の給食を楽しみに登校する子もいるくらいです。しかし家に帰ると、給食で食べているはずの物を食べなかったり、野菜を残してしまったりということがあるようです。保護者の方からも「給食は残さず食べるのに、家では食べてくれない」といった声をよく聞きます。
好き嫌いが起きる原因はいろいろありますが、じつは学校給食には「なぜか食べられてしまう」ヒントが隠されているのです。子どもの好き嫌いがなくならない理由について3つ順を追って説明します。
まずは好き嫌いの根本的な理由を知ることが大切です。
苦味や酸味を嫌うのには科学的根拠があります。料理の世界で「五味」と呼ばれるように味には5種類あり、舌にある「味蕾(みらい)」という器官で食べ物の味を感知しています。
◎ 塩味 …… ミネラル
◎ 酸味 …… 腐ったものや未熟な物
◎ 苦味 …… 毒のシグナル
◎ うま味 …… タンパク質
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