子どもの「好き嫌い」がなくならない3つの理由

なぜ「うちの子は食べ物を残してしまう」のか

学校給食では、野菜の苦味を抑えるオイルを使ったり、相性のよい小魚などのカルシウム類を合わせたりといった調理方法を採り入れています。私はそれ以外にも、緑の野菜に赤や黄色の野菜を合わせて「本当においしいから、食べてみて」と、毎日少量でも出すことにしています。

最初は食べられなくても出し続けることで、周囲でおいしそうに食べている子につられてパクッと一口食べてみたり、自ら挑戦してみようと食べる子もいたりと、自然に食べられるようになっていく子がほとんどです。これが、苦味に対する耐性が少しずつできていく表れなのです。

ですから、ご家庭でも諦めることなく、いつか箸が伸びるその日まで、少しずつでもテーブルに出してあげてほしいです。

叱られた子どもと残食の関係

理由③:笑いのない食卓は好き嫌いを増やす

どんなにおいしい食事でも怒られながら食べると、まずく感じたり、食欲がなくなったりします。これは大人も子どもも同じです。「早く食べなさい」「どうしていつも残すの」と言われて食べる食事は、大人でもおいしく感じられないのではないでしょうか。

学校でも、午前中の授業で叱られていた子どもたちのクラスの残食は、少し多めに返ってきます。いつもよく食べるクラスの残食が多いと「あれ、何かあったのかな」と、少し心配になります。

さらに、怒られて食べた経験(視覚、雰囲気、味、香り)が食材と結びついてしまい、嫌いな食べ物に変化してしまうこともあります。なので、苦手な物を食べてくれないからと言って、一方的に怒って無理やり食べさせるのは、逆効果なのです。

保護者の方には、家庭でも食事のときには笑顔で「おいしいね」とか「感謝して食べようね」と声をかけて、雰囲気作りも大事にしてほしいと、つねに伝えています。

科学的には、グルーミング行動(スキンシップ、家族だんらん)が多いほど、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを増加させるオキシトシンの分泌を促すと言われています。

学校での給食時間では、班になりクラスメイトと向かい合って食べます。おしゃべりせずに集中して食べていても、皆なぜか笑顔です。いつも一緒に過ごしている友だちと一緒に給食を食べるということが楽しくて、こちらまで嬉しくなってしまうほど、いい顔をしてくれるのです。

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