子どもの「好き嫌い」がなくならない3つの理由 なぜ「うちの子は食べ物を残してしまう」のか
友だちとの楽しい記憶と食事が結びついて、10年後も「あのとき食べた給食はおいしかったな」とか「あの頃は楽しかったな」といい思い出となり、脳に刻まれていくのです。
今の学校給食は昔とは違い、「残さず食べよう」ではなく、「自分の食べられる量を、自分で判断し、取り分けて食べる」という方向に進んでいます。
もちろん、食べ物を大切にする心は大事ですが、子どもであってもそれぞれですから、全員が同じ量を食べられるとは限りません。逆に無理やり食べさせて、給食を嫌いになるほうが致命的です。
これからは食も「自ら判断し、自ら選ぶ」ことが求められる時代だと、私は思います。その過程で、少しずつ嫌いなものを克服したり、新しい食べ物にチャレンジしたりすることで「好き」を増やしていくことができれば、選択肢の幅も広がり、食事の楽しみが増えると思います。
食に対する思い
好き嫌いがなくならない理由をたくさん述べてきましたが、実は私自身、幼少期は好き嫌いがたくさんありました。野菜全般が大嫌いで、おかずとご飯ばかり食べていたので母は苦労したと思います。
それでも、残した私を責めたりせず、ずっと食卓に出し続けてくれたおかげで、自然と野菜嫌いがなくなっていました。今は野菜が大好きです。好き嫌いもほとんどありません。体も病気もせず、健康です。体格にも恵まれ、今では身長190センチと日本人離れした体になりました。
「食」を通じて、たくさんの人との交流も増えました。何より、私は「食」が心から好きになり、料理家になれたのです。母には感謝しかないです。「好き」が増えれば未来はもっと明るい、そのことを私は身を持って知っています。
子どもの好き嫌いをどう克服すればいいか、毎日の食事に悩んでいる方はたくさんいると思いますが、親御さん自身も料理を「苦行」にしてほしくないです。
食べることも作ることも楽しくて、幸せなことですから、食事は「済ます」ではなく「楽しむ」ことであってほしいのです。そうすれば、お子さんも食べるのは楽しいことだと自然と学んでいくでしょう。これからも料理家として、たくさんの人においしい料理と思いを届けていけたらと思います。
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