危ない食品を見分けられない人が被るリスク 不自然な食品は人間の脳と体をむしばむ
この調査報告は、フランスのパリ13大学が行っている「NutriNet-Santé Study」という現在も進行中のコホート研究のデータをまとめたもので、45歳以上のフランス人4万人以上を平均7年以上追跡調査しています。
調査報告によると、超加工食品(NOVA分類のグループ4に指定される食品)の摂取量が10%増えるごとに、感染症以外のすべての疾患の死亡リスクが増加していたのです。
研究チームは、超加工食品と死亡リスクとのつながりの背景に、乳化剤や人工甘味料といった食品添加物の関連があるのではないかと指摘しています。
加工食品には欠かせない食品添加物の知られざるリスク
食品添加物は、食品の形を整えたり、色や味をよくしたり、日持ちを向上させたりするために使用される物質の総称です。
日本では厚生労働省が指定する指定添加物455品目のほか、昔から使用されていて安全性に問題がないと認められている既存添加物365品目、植物や動物などが原料の天然香料が約600品目、食品が添加物として使用されているものが約100品目と、1500以上の食品添加物が使用されています。
この数は世界の中でも多いと指摘されています。実際、ここ5年間に日本で認可された指定添加物は44品目で、アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド8品目、カナダ4品目。日本の認可数が突出していることがわかります。
さらに、欧米では危険性があると採用されていない食品添加物が、日本では認可され、使用されているというこわい現実はあまり知られていません。
食品添加物については「心配ない」と主張する研究者もいれば、健康に害をもたらす「危険なもの」だと警鐘を鳴らす研究者もいます。
食品添加物の安全性を評価する食品安全委員会は「安全な量を定めて使用を認めているのだから心配ない」と言いますが、その「安全な量」は動物実験の結果から計算式で算出したものです。ヒトで調べたデータではありません。
しかも、現在、定められている安全な量は、1つの食品添加物を摂ったときの数値です。複数の食品添加物を長期にわたって食べ続けた結果、どうなるかは調べていません。
加工食品をそれほど食べていない人と、毎日毎食、超加工食品を食べ続けている人ではリスクが違ってくる、私はそう思います。
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