「悩みに答えるノート術」が世界中でウケる理由

NY生まれ「バレットジャーナル」とは何か

社会人になってから、膨大な仕事の処理に悩む同僚におそるおそるこのノート術を伝えたところ、実際に使って効果に驚いた同僚から、より多くの人に伝えるべきだと勧められる。そこで、このノート術をバレットジャーナルと名付け、サイトや動画で紹介。ビジネス誌などで取り上げられるようになると、あっという間に利用者が膨らんだ。同時に子育てに追われる母親や、強迫性障害に苦しむ人など幅広い人から反響があった。

しかし、今の世界、仕事を見える化したり、予定を管理したりするアプリは山ほどある。ライダー自身もこうしたアプリを開発したことがあるという。それでも、ノートのほうが優れている、というのが結論だ。

「スマホの場合、このアイデアや予定はこっちのカレンダーアプリがいいのか、あっちのやることリストのアプリがいいのか……と悩む局面が多すぎる。さらに、こんなことを毎回やっているうちに、どこに何を書いたかわけがわからなくなる」と、ライダー氏は話す。

どんな人が「始めよう」と思うのか

ノートを使うメリットのもう1つは、オフラインになることだ。「ネットにつながっている場合、ノートを書いていたつもりがいつのまにかメールに返信していたり、靴を買っていたりする。テクノロジーは自分の『外』の世界とつながるのには適しているが、自分の『内』と向き合う作業には不向きなのではないかと感じる」。

バレットジャーナルを考案したライダー氏は、自らも「集中できない」「生産性が低い」といった悩みを抱えていた(撮影:今井康一)

内なる自分と向き合う作業――。これこそが、バレットジャーナルの最大の特徴だろう。ライダー氏に言わせると、ノートに書き込むことは単なる予定や作業のリストではなく、「これから生まれるかもしれない経験のタネ」だ。

つまり、「やらなければいけない作業は、これから自分で組み立てていく未来の一端で、これに不満があるのなら、その不満を解消するにはどうしたらいいか、向き合って考えなければならない。何かをもっとやるには、あるいは、もっとやらないにはどうしたらいいか、ということを考えていくうちに、自分の人生に何が重要で大切なのかが見極められるようになっていく。

それがわかれば、自分のモチベーションにつながる作業にもっと力を入れられるようになる」という。「僕にとっては、この作業は自分と自分の好きなものの間にある『壁』を取り除く作業のようなものだ」。

ライダー氏によると、そもそもバレットジャーナルを始めようと思う人は、出産や転職、仕事に集中できない、お金を使いすぎてしまう、恋人とうまくいかないなど、人生における何かしらの課題を抱えている人だという。そういう人が、ノートを使うことで、自分の頭の中を整理し、無駄を排除したり、自らの生産性を向上させたりしながら、課題解決を試みられる、としている。

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