「依存を自覚できない人」が何とも危うい理由 スマホへ異常に没頭する人と抜け出す人の差

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人生で大切なものを取り戻す

このアルコール依存症の彼女は、お酒による失敗を何度も何度も繰り返しながらも、周囲の人の支えもあり断酒を成功させていきました。

冒頭で人生を台なしにする人、という言い方をしましたが、依存症になって人生を台なしにしたと感じたとしても、専門の機関で適切な治療を受ければ、依存症から回復し、人生を取り戻すことは可能です。

私自身、依存症クリニックの医院長として28年間さまざまな依存症から抜け出して自分の人生を取り戻した人たちと関わってきました。ただ、繰り返しになりますが、どうしても依存症から抜け出すには労力が必要です。ですので、早く気づくことが大切なのです。

『ずっとやめたかったこと、こうしてやめられました。』(サンマーク出版)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

年号も変わり、心機一転という気持ちの方も多いかもしれません。依存すると、人生で大切な、時間やお金を奪われます。言い換えると、依存から抜け出すことは、自分の人生で大切なものを取り戻すことでもあります。

ずっとやめたかったことをやめた人たちから聞く声は、皆さん「自分にとって本当に大切なものに気がつけた」「本当に大切なものに時間やお金を使えるようになった」という声です。この機会に、「自分の大切なものに時間やお金を使えているか」を振り返ってみるのもいいかもしれません。 

最後に「プチ依存チェックリスト」を掲載しておきます。以下の項目に1つでも当てはまったら、もしかしたら、プチ依存かもしれません。

□それがないと、不安or落ち着かない
□本気になればそれをやめられると思っている
□「それさえあれば幸せ」だと思ったことがある
□それを「明日からやめよう」と一度でも思ったことがある
□それがあると、嫌なことを忘れられる気がする
□それのせいで何かをすっぽかしたことがある

「それ」には、みなさんの「やめられないもの」を当てはめてみてください。お酒、ネット、買い物、甘い物、恋愛……etc.。

さて、あなたはどうでしたか?

大石 雅之 精神科医/大石クリニック医院長

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おおいし まさゆき / Masayuki Oishi

東京慈恵会医科大学卒業。1991年に当時は珍しかった外来でアルコール依存症を治療できる「依存症」専門のクリニックを横浜に開業。アルコールや薬物だけでなく、ネット依存・ギャンブル依存症・買い物依存症・性嗜好障害(性依存症)・窃盗癖(クレプトマニア)・ストーカー・DVなど新たな依存症を抱えた人が訪れるようになり、28年にわたってさまざまな依存症の患者と日々向き合っている。今でも依存症専門のクリニックは珍しく、神奈川県から依存症治療の専門医療機関として選定されている。依存症を取り扱ったテレビ番組の監修も行う。

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