東大生の「必ず伝わる説明の技術」が凄すぎた 「ドラえもん」を知らない人にどう説明する?

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ここまでくれば、今作った「伝えたい魅力」を組み立てれば完成です。

STEP3:スタート(自分)とゴール(相手)をつなげたものを組み立てる

「読んでいてワクワクする」「未来のテクノロジーが出てくる」「40年以上アニメ化」「毎年映画が上映される」「不朽の名作」……これらを全部混ぜ込みつつ、わかりやすくまとめましょう。

ここでポイントなのは、「日常の話題をできる限り多くする」というものです。

日常の話題は最強の「理解のフック」

相手が経験していることを入れる大切さをSTEP1でお話ししましたが、身の回りのことや日常的に体験していることは、相手と自分の両方が共通の体験として持っていることだと思います。

これであれば、自分の体験に独りよがりになることなく相手に伝えることができるはずです。

ドラえもんで言うならば、「未来のテクノロジー」というのをもっと発展させて「日常の中で感じるささいな悩みを解決してくれる未来の道具が出てくる」という説明を考えることができますね。

これらを踏まえて、例えば僕がドラえもんをオススメするなら、こんな文章になります。

解答例
「未来のテクノロジーを使った、夢のような秘密道具が登場する作品で、読んでいてワクワクするよ! 日常の中である些細な悩みを、ドラえもんというキャラが未来の道具で解決してくれるんだ。ずっと昔から愛されている不朽の名作で、40年以上アニメが続いていて、毎年映画が上映されているんだ!」

……と、こんな感じです。これならきっと、「なるほど、1回くらい読んでみようかな」という気になるはずです。

STEP3
・相手の体験と自分の説明とをつなげ、それを文章として組み立ててみる
・日常の話題や身近なことをできる限り多く入れる

いかがでしょうか? 「ゴール」から逆算して考えることで、このように相手というゴールに刺さりやすい説明ができます。これとまったく同じ要領で、いろいろな問題に対してもアプローチすることができるようになります。

みなさんもぜひ、実践してみてください!

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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