消えない「衆参同日選」説、衆院解散はあるのか 内閣・自民支持率高止まりで浮上する強気論
令和フィーバーが終息の兆しをみせる中、永田町では夏の参院選に合わせた衆参同日選をめぐるざわめきが拡大している。
与野党の有力幹部がことあるごとに同日選の可能性に言及。現職衆院議員と新人や落選中の立候補予定者が「10連休も田の草取り(選挙運動)に専念」(自民若手)したこともあって、風速の強弱はあるものの初夏の解散風は収まりそうにない。
消費税10%凍結には否定的な声
「伝家の宝刀」(解散権)を持つ安倍晋三首相は連休もゴルフざんまいで、これまでの「頭の片隅にもない」との発言どおりに刀を抜く気配は見せていない。首相の盟友で選挙責任者の甘利明自民党選挙対策委員長も「首相から(解散の感触は)伝わってこない」と語る。にもかかわらず、野党側は「同日選を前提に選挙準備を」(立憲民主幹部)と候補者調整を急ぐ構えだ。
同日選の確率については、政界関係者や政治メディアの間でも、10%から90%までと見立てが大きく分かれている。解散には大義名分が必要とされるが、取り沙汰されている「消費税10%への引き上げ凍結・延期論」には政府与党首脳の多くが否定的で、日ロ、日朝など解散につながるような重要外交も、現時点で急進展しそうもない。
その一方で、「政治的には最大のチャンス。今回同日選を見送れば、その後は解散がしにくくなる」(自民長老)との戦略的解散論も根強く、首相も今後、「さまざまな要素が交錯する多元連立方程式の解を探す」(閣僚経験者)ことになるとみられている。
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