「芸術で食う」街に変貌?池袋の大胆改革 借金23区ワースト1から、文化の街へ大改造

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――とはいえ、区の職員の方は大変ですね。大半の公務員はきっちり土日休みなのに、休めないわけですから。

確かに、現場の職員にとっては大ごとです。「4週8休のローテーションでの変則勤務」の体制を整える方向ですが、職員自身も働き方や仕事に対する意識を変えていく必要があると思っています。

職員を1000人以上削減する大ナタ

――冒頭で、膨大な借金の話がありましたが、あれはどうなりましたか?

1999年に区長に就任したとき、872億円あった借金は、今では250億円ほどに減りました。区民1人当たりの借金は、当時の33万円から2万2000円に。もう少し頑張ればゼロにできると思っています。

そもそもいちばんの問題は、職員の人件費だったのです。当時24万人の区民がいたのですが、職員は3000人もいました。人件費比率は32.6%と、20%台が多い東京都23区の中で断トツに悪かったのです。これは異常じゃないか、と思いましたね。

そこで、まず財政白書などを作成し、区民に現状をすべてお見せしました。いわゆる情報公開ですね。次に、売ることができる施設は売って、サービスを削って、ある意味、荒っぽい行政改革を展開しました。人を減らすことも徹底的にやって、10年間で職員は1000人以上削減しましたね。

この結果、年間の人件費を70億~80億円削ることができました。まだ23区の平均には届いていませんが、ここまで財政を改善することができました。

それには、やはり文化政策の貢献もあると思っています。良質なマンションの供給が増えたこともありますが、25~39歳の子育て世帯の流入が続いて(税収も拡大して)いるのです。文化が、にぎわいが人を引き付け、街が活気を取り戻した、と私は思っています。

(撮影:今祥雄)


 

梅咲 恵司 東洋経済 記者

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うめさき けいじ / Keiji Umesaki

ゼネコン・建設業界を担当。過去に小売り、不動産、精密業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。著書に『百貨店・デパート興亡史』(イースト・プレス)。

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