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東洋経済では、全国の市を対象に「住みよさランキング」を毎年公表しているが、このほど最新結果がまとまった(全都市のランキングは、『都市データパック2013年版』を参照)。
「住みよさランキング」は、公的統計を基に、それぞれの市が持つ“都市力”を、「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」「住居水準充実度」の5つの観点に分類し、採用14指標について、それぞれ平均値を50とする偏差値を算出、その単純平均を総合評価としてランキングしたもの。今回の対象は、2013年6月17日現在の790都市(全国789市と東京区部全体)で、今回が20回目となる(2011年は、東日本大震災により非公表)。
なお、5つの観点と採用14指標、評価方法については文末参照。
印西市が2年連続トップ
今年の「住みよさランキング」総合評価1位は千葉県印西市、2位が石川県野々市市、3位が茨城県守谷市となった。
1位の千葉県印西市は、前々回2010年ランキングの5位から、前回2012年に1位となり、今回2年連続でトップとなった。
印西市は、1996年3月に市制施行して誕生した比較的新しい市で、2010年3月に印旛村、本埜村と合併し現在の市域となった。80年代半ばに北総線「千葉ニュータウン中央」駅が開業し、ニュータウンへの入居が始まるとともに人口流入が始まり、その後90年代半ば以降、北総線の延伸とともに千葉ニュータウン区域が拡大、人口の半数以上が千葉ニュータウン区域に在住する典型的なベッドタウンで、現在もなお開発が続き、人口の流入が続いている。そのため、「快適度」では9位と全国トップクラスにある。
人口増加と幹線道路などの整備に伴い、特に国道464号沿いや、「千葉ニュータウン中央」「印西牧の原」駅周辺には多くの大型商業施設が相次いで開業していることから、「利便度」でも3位と高い評価となっている。なお、印西市は東京区部の20%通勤圏であり、補正*の対象となる「人口当たり小売業年間商品販売額」の指標において、東京区部の数値を採用している。
また、大型商業施設のほか、地盤の堅さから金融機関の事務センター等も多数立地しており、人口当たりの税収も高く、「富裕度」でも48位。市域が従来からの農村部と郊外の新興ニュータウンで構成されることから持ち家比率も都心近郊としては高水準で、「住居水準充実度」も86位と上位にある。ただ、印西市を含む千葉県北西部周辺は人口当たりの病床数、高齢者人口当たりの介護施設定員では全国平均以下という水準であり、ドクター・ヘリを日本で初めて常駐させた日本医科大学千葉北総病院が立地しているものの、「安心度」では633位と下位に位置している。
2位の野々市市(石川)は、2011年11月11日に旧野々市町が単独で市制施行して誕生した市で、前回ランキングから評価の対象となり、昨年に引き続き2位の座を維持した。
野々市市は金沢市のベッドタウンとして都市化が進み、人口の増加傾向が続いている。市制施行前の2010年国勢調査では人口5万1885人と、全国の町村としては3番目に人口が多かった町である。平均年齢39.7歳と人口構成は若く、市内に石川県立大学、金沢工業大学が立地していることもあり、20歳代(特に男性)の比率が飛び抜けて高い。
金沢市の近郊という至便さから介護施設なども充実、高齢者人口の比率の低さに加え、金沢市の20%通勤圏で、「人口当たり病院・一般診療所病床数」の指標で金沢市の数値を採用したこともあり、「安心度」で全国1位、また幹線道路沿いには大型商業施設が多数建ち並び、金沢市をはじめ近隣から多くの買い物客らが集まるため「利便度」でも全国1位と部門2冠。さらに「快適度」も5位と、3部門で全国トップクラスの評価となったことが寄与した。ただ、学生や若年層世帯が多いため、持ち家世帯比率は低く「住居水準充実度」では754位と最下位レベルにある。
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