「街」視点で考える湾岸タワマンに住む選択 東京の街での生活を楽しむなら下町がいい
なぜ東京にタワマンタウンができたのか
江東区豊洲・東雲、中央区勝どき・晴海、港区芝浦などにそびえ建つ湾岸タワーマンション。建物からの眺望のよさ、共用部の充実した設備仕様、そしてなんといっても都心への近さを売り物にして昨今、人気を博しています。
最近では、こうしたタワーマンションが林立する湾岸部を新興の「ブランド住宅街」などと称する声もあります。
そもそも湾岸にタワーマンションがたくさん建ち始めたのにはきっかけがあります。それは1996年に行われた大都市法の改正です。
政府はこの年、都心居住の推進を図る名目で、東京都心部の容積率を一気に引き上げ、建物の高層化を促しました。当時はバブル崩壊後で世の中はデフレ時代に突入。外国為替市場では1ドル80円を切る超円高となり、採算が悪化した輸出型製造業の多くは、工場を東京湾岸部から次々と撤退させ、中国などのアジア各国へと拠点を移しました。
この工場跡地に目をつけたのがデベロッパーやゼネコンです。これまで製造業の工場や大型倉庫が立地する湾岸部は、工業地域が多く容積率も200%程度に抑えられていました。それが大都市法の改正で400%、あるいは600%まで軒並み引き上げられたのです。工場跡地は土地面積も広いため、超高層のタワーマンション建設が可能となったのです。
土地代も内陸部の住宅地よりは割安ですし、一度に数百戸から1000戸程度の住宅を分譲できます。デベロッパーやゼネコンから見ても効率のいい商売であり、これらの事情を背景に、タワマンタウンが都内に数多く出来上がったのです。
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