日本企業が「知財」の意味を再考すべき理由

データ集積・分析は「経営資産」になりうる

米中貿易戦争の引き金ともなっている「知的財産」ですが、企業にとっては、今後どのように活かしていくべきでしょうか(写真:metamorworks/iStock)  
知財(知的財産)とは、特許権や商標権だけを指すのではない。データの時代に、中小を含めた日本企業はいかに知財を活かして生き残るべきか。
米中貿易戦争の引き金となった「知財(知的財産)」だが、企業にとってその重要性はますます増している。今後の成長戦略として知財をいかに使うべきか。とりわけ第4次産業革命やオープンイノベーション、IoT、5Gがキーワードとなってきた時代に、個々の企業はどう動けばいいのか。
本田技研工業で初代・知的財産部長を務め、現在は日本知的財産協会の専務理事である久慈直登氏は、新著『経営戦略としての知財』(CCCメディアハウス)を上梓。知財とは何か、それをどう活用すべきかについて話を聞いた。

「経営戦略としての知財」と言われても、自社にそんな特別なものはない、と思う人がいるかもしれません。しかし、本書で述べている「知財」あるいは「知的資産」とは、特許権や商標権といった特定の法律によって守られている権利だけを指しているのではありません。

例えば自社のブランドや蓄積してきたノウハウ、さまざまなソリューション、取引先とのネットワークといったものも、すべて知財なのです。その意味において、どんな業種のどんな会社であっても豊富な知財を持っています。

言い換えると、知財とは企業としての「強み」です。重要なのは、そうした強みを価値ある経営資産として認識し、企業としての成長にどう活用していくかを全社員が考えることなのです。

そのためには、まずは経営者が知財についての理解を深めなければなりません。そして、従来の「知財」という認識の枠を取り外し、特定の部署だけが扱う特別なものではなく、すべての従業員が理解すべき知識であり、情報として捉え直す必要があります。

経営資産としてのデータ、どう分析・連携するか

最近、特に重要になってきているのが「データ」です。今やありとあらゆる事柄がデータ化されている時代ですから、それだけでも企業は膨大な資産を保有しているわけです。顧客データ、販売データ、商品開発データ……すべてのデータが経営資産としての価値を持っています。しかし、膨大な上に扱いが難しいこともあり、しっかりとした分析を行えていない会社も多いのではないでしょうか。

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