「いきなり!ステーキ」社長、挽回の「秘策」を激白 いきなり!ステーキは近いうち「文化」になる

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店舗の前を通った顧客が、「いきなり!ステーキがある」と気づいて入店するケースが非常に多かった。たとえ想定よりも顧客が少なくても、家賃が低ければ採算が合うと判断していた。

しかし、現在は店舗の前を通っても、「ここにも店ができたんだ」といった感覚で通り抜けてしまう顧客が増えた印象がある。

これまでは、出店判断をする際に「社長、他店舗と5キロしか離れていませんよ」と言われても、他店舗とは異なる道路に面しているので大丈夫だろうと判断して出店してきた。しかし10キロ、15キロ離れていても車なら簡単に行けるので、自社競合を招いてしまった。

だから現在では、店舗の商圏に何万人が住んでいるか、商圏人口調査に重きを置くようにしている。

――今後も「立ち食い形式」にこだわっていくのですか?

現在のいきなり!ステーキは、1人でパッと食べて、30分程度の滞在で済むような店作りをしている。複数人が集って会合などで使ってもらえるような作りではない。

一瀬邦夫(いちのせ くにお)/1942年生まれ。山王ホテルの調理場勤務などを経て、1985年くに(現ペッパーフードサービス)設立、社長に就任(撮影:尾形文繁)

そこで、テーブルを低くし、もしかしたら個室も備え、オードブルやガーリックブレッドなどのメニューを拡充した新業態を準備している。通りがかりの人が見て、既存店との違いがわかるように「いきなり!ステーキプラス」という名前をつけて、既存店の改装と新店の両方で展開するつもりだ。

例えば、同窓会やママ友同士(の食事会)など、人が集まる場として使ってもらう。法事の際は和食の飲食店を利用するケースが多いが、時には和食ではなく「いきなり!ステーキプラスで集まろうよ」といった利用の仕方があってもいい。この新業態は間もなく始めますよ。

今年度は前期並みの210店を出す

――既存店が厳しい中で、新規出店のペースは落としません。今2019年12月期も前期と同規模の210店舗を出店する計画です。

今年度は210店舗を出す。ただ「何が何でも出そう」とファイトを燃やすのではなく、既存店をどうテコ入れするかを重視している。

店舗数が増えて既存店が下り坂となった後、既存店対策が必要になるのは当然のことだ。他社の場合、いきなり!ステーキのような鉱脈を掘り当てても、10年、15年と長い間をかけて全都道府県に出店し、頭打ちになってから考える。僕らはスピード展開をしたから、5年余りでそういう状況を迎えた。

逆に、今はチャンスなんですよ。当社のステーキはおいしいし、「厚みのあるおいしいステーキを食べたい」という顧客の需要は減らない。いきなり!ステーキ業態が始まって5~6年も経てば既存顧客はぼちぼち飽きてくるかもしれないが、これまでとは違う層の顧客を開拓することは可能だろう。

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