「いきなり!ステーキ」社長、挽回の「秘策」を激白 いきなり!ステーキは近いうち「文化」になる

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――外食産業は人手不足が顕著です。大量出店を続けていて、人材を確保できていますか。

人手不足なんて、実感したことがない。外食産業で働く人の中には、いま勤める会社に満足せず、いいところがあれば転職したいという人がいっぱいいる。そういった状況の中で、当社は週休2日制を導入している。加えて、給料もいい。

今年はベースアップと定期昇給を含めて6.18%の賃上げを実施した。これはなかなかできることじゃない。これまで、人材についてはまったく心配しないで突っ走ってきた。1店1店繁盛し、会社が成長すれば、こういう会社に勤めたいと思う人が現れる。

追加値上げの予定はない

――原価率は57%超(全社ベース)と、外食産業の中でも高い水準です。いきなり!ステーキ開業時のリブロースステーキは、1グラムあたり5円でしたが、現在は6.9円です。さらなる値上げに踏み切る可能性はありますか。

今のところ、追加値上げの予定はない。

「追加値上げの予定はない」と一瀬社長(撮影:尾形文繁)

いきなり!ステーキプラスでは、(メニューの種類が増えることで)顧客があれもこれもと注文し、結果的に支払いが増えて客単価が上がると考えている。満足度上昇にもつながるだろう。そうなると、「また行きたいね」となる。店側にとっては客数が増え、いろんなものを食べてくれると原価率が下がる。

(アメリカ産牛肉の仕入れ値は上昇基調だが)ステーキで使用する牛肉については、これまで通りアメリカ産牛肉を使い続けるのがいいと思う。やはり品質を絶対に落としてはいけない。

――アメリカにいきなり!ステーキを出店しましたが、一部店舗を閉店し、2018年12月期に海外事業の減損を計上しました。アメリカ事業はなぜうまくいっていないのでしょうか。

いちばんの理由は経営方針がころころ変わって、顧客やスタッフから信頼されない店になったことだ。例えば、最初は日本と同じことをやろうとチップ制を導入しなかったが、チップがあるとモチベーションが高い人材を採用できると言われてチップ制を導入した。それでも、結局モチベーションが高い人を採れなかった。

自社競合も原因だった。そう広くはないマンハッタンの中で、日本と同様の勢いで一気に出店した。日本では全部が一気に繁盛したので同じことをしようとどんどん出したが、結果的には裏目に出た。あまりにも競合しすぎた。

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