「高齢者増の団地」URあの手この手で挑む改革

無印良品やIKEAとのコラボも実施している

現在の常盤平団地の様子(筆者撮影)

駅前から伸びるケヤキ並木の道路。その両脇に4~5階建ての鉄筋コンクリート造りの集合住宅が建ち並ぶ。集合住宅の間には公園や木々がたくさんあり、駅近くには大きなスーパーもある。住環境はよさそうだ。

ここは千葉県松戸市にある常盤平団地。1960年に日本住宅公団により開発され、現在は都市再生機構(UR)が4823戸を管理する。建ち並ぶ集合住宅の中には四角ではなく三角に近い形をしている「スターハウス」がいくつもあり、外見に古さを感じさせる建物も多い。

歩いている人たちを見ると高齢者がほとんどだ。今、大都市近郊では、建物が老朽化し、住民も高齢化したUR賃貸住宅が増えている。

高齢化が進むUR賃貸住宅

UR賃貸住宅は全国に約72万戸ある。大都市近郊に多くの大規模な賃貸住宅団地を持ち、URは「日本最大の大家」とも呼ばれることがある。しかし、UR賃貸住宅は全体の約65%にあたる約47万戸が管理開始から40年以上経っており、また住民の激しい高齢化にもさらされている。

2015年に実施された「UR賃貸住宅居住者定期調査」から判明した、全国にあるUR賃貸住宅の平均高齢化率は34.8%。同年に行われた国勢調査での全国の高齢化率は28.1%。比較すると6.7ポイントも高い。同じ調査でわかった平均居住年数は14年5カ月だった。

日本賃貸住宅管理協会のデータでは賃貸住宅の平均居住期間として単身世帯の約7割が2~4年、ファミリー世帯では約6割が4~6年の居住であった。このデータと比較するとUR賃貸住宅の平均居住期間は大変長い。

なぜ長く居住する高齢者が多いのだろうか。その理由はUR賃貸住宅の歴史にある。UR賃貸住宅はもとをたどると1955年設立の日本住宅公団までさかのぼる。

同公団は都市への人口集中と建設省住宅局により1945年8月には420万戸、1952年4月には約316万戸と見積もられた深刻な住宅不足などを背景に発足した。ミッションとしては国の「住宅建設五箇年計画」に基づき、中堅所得者向けに大量の良質な住戸供給を行うこと。

当時は木造の賃貸アパートも多く、十分な広さや防災性を持った民間賃貸住宅は少なかった。また、低所得者は公営住宅で住戸の手当を行うことにして役割のすみ分けを図った。

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