異性であっても自分と年齢が近いと、嫉妬心が先立ってしまうことがある。その人が自分を立ててくれれば鎮まるが、歯牙にもかけられていないと感じると、嫉妬が憎悪に変わりかねない。上司も部下も顧客もおじさんばかりの部署に配属された白澤さんは幸運だったのかもしれない。
「失敗や嫌なことはすぐに忘れるほうですが、学生時代のサークルで同期の男の子ともめたことは今でも覚えています。私はサークルの共同代表を務めていて、先輩たちともすごく仲良くしていました。同期のひとりはそれが面白くなかったらしく、『代表なんだから全体を見ろ。できないなら辞めろ』と詰め寄ってきました」
その同期男性は白澤さんに恋心を抱いた時期があったのではないか。「全体を見ろ」ではなく「オレを見ろ」と本音では言いたいのだろう。幼稚な発想だけれど、同世代はそんなものなのだ。
学生時代から白澤さんは年上にかわいがられていた。一方で、同世代は慶応の学生同士でもこのありさまである。ほかの大学が相手だと悲惨なことになる。
「大学2年生のとき、女子高時代の友だちに誘われて行った合コンで大学名を口にしたら、男の子たちが全員引いてしまいました。偏差値があまり高くない大学の人たちで、『慶応から見ると俺たちはバカに見えるでしょ』『頭いいね~』とか何度も言われて……。卑屈になられても反応に困りますよ。『高校時代に勉強を頑張らなかったのはあなたたちの問題でしょ』と、突き放したくなりました」
エリート美女に卑屈な男はNG
エリート美女に限らず、あらゆる女性は卑屈な男性を嫌う。謙虚さに見せかけて「そんなことない。あなたは立派だよ」という慰めと励ましを求める心を軟弱で不潔だと感じるのだろう。厳しいな……。
白澤さんの場合、卑屈と同じぐらい嫌いな男性タイプは「自慢する」人だ。最近の飲み会で「記憶が残るぐらい嫌だった成金社長」に出会った。
「システム会社に勤める友だちから社長との飲みに誘われて、私が女の子を集めて参加しました。その社長は、飛行機のエコノミークラスに乗る社長仲間をバカにしたり、自分はすごく女性にモテる話をしたり。ひたすら自慢話。芸人のチャンカワイみたいな見た目で、しかも下品なくせに!」
ただし、白澤さんは笑ってその場をやり過ごした。友だちにもクレームはつけていない。嫌な思い出を笑いのネタに昇華できる賢さもある。確かに「頭がいい」。そう言われることを本音ではどう思っているのだろうか。
「私は頭の回転が速いほうではありません。(顧客である)自治体の人たちは学力的には頭のいい人が多いので追いついていくのが大変です。でも、たまに『頭がいいね』と言われても受け止めることはできます。私はガサツだけど心配性なので、勉強でも仕事でも徹底的に準備しないと気が済まないのです。高校の日本史では90点以下だったことはありません。試験にヤマをかけるのが不安で、範囲をすべて暗記して臨んでいたからです。仕事でプレゼンをするときも、話す内容を頭の中ですべて組み立てられるようになるまで練習を繰り返します。自宅の犬相手の練習ですけど(笑)。努力できることも『頭のよさ』のひとつですよね?」
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