女性の大学進学率が低くて企業の総合職に就くこともまれであった世代には、学歴や職歴は低くても驚くほど優秀な人がいる。一方で、高学歴高職歴の人は「容姿に自信がないので結婚はあきらめて勉強や仕事に活路を見出した」と見受けられる場合がある。イケメンでもなくスポーツも苦手でモテないので、受験勉強で起死回生を狙うわれわれガリ勉男性と似ている。キャリア女性がそもそも少なく、なおかつ美人となると希少すぎる存在となる世代なのだ。
しかし、男女雇用機会均等法の施行から30年近くの歳月が流れ、美人の分布に大きな変化が表れている。現在の企業社会で働く若い女性たちを見よ。超高学歴でキャリア職に就いてガンガン働きながらも美しい人、すわなち「エリート美女」が激増している!
下方婚など望まない男性からすれば、夢のような事態だ。なんとしてでもお近づきになり、人生を豊かに明るくしたい。そのためには彼女たちの実情と本音を知ることが第一歩だ。僕は趣味と仕事を兼ねてエリート美女を訪ね歩くことを決意した。
本連載における「エリート美女」の定義
異論はあるかもしれないが、僕と東洋経済オンライン編集部の独断によって、以下の3条件を満たす20代30代女性を「エリート美女」と想定する。
①早慶上智あるいは旧帝大クラスの学部入学者(帰国子女枠での入学や大学院から東大といったケースは除く)。卒業はしていなくても可
②大企業や国家公務員の総合職(いわゆる「エリア総合職」は除く)として働いた経験に相当するキャリア。もしくは医師・会計士・弁護士など難関国家資格保有
③容姿端麗
恋愛状況などプライベートなこともぜひ聞きたいので(高学歴女性は美人でもモテないという定説は本当か?)、エリート美女たちは基本的に匿名で登場する。容姿は僕と編集部の主観を信じて想像してもらうしかない。随時、顔出しOKの弁護士や起業家にも出てもらう予定だ。
今回の登場者は、上智大と並んでエリート美女率が高いと思われる慶応義塾大学の卒業生、白澤彩さん(仮名、26歳)。新卒で入社した人材大手の総合職として働いている。
取材場所である居酒屋「はかた地どり 福栄組合 銀座店」には30分ほど遅れて到着。「急ぎ対応で遅れました」と何度も謝りながらすばやくコートを脱ぐ白澤さん。その姿を凝視していた編集担当の伊藤くん(26歳)は少し上ずった声を上げた。
「女優の石原さとみに似ているって言われません?」
お世辞ではない。本当に石原さとみをカジュアルにしたような外見なのだ。白澤さんは慣れた様子で切り返す。
「石原さとみ(に似ていると言われたの)は人生で3度目です。よく言われるのは、(女子アナの)カトパンですね」
な、なるほど! 伊藤くんと一緒に声が上ずりそうになるのを抑えながら、まずは仕事の様子を聞くことにした。
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