人望のない上司は部下のホンネがわかってない 仕事上の鎧を捨て正直に伝えることが大事だ
このように、本書のCHAPTER 1においてキム氏は、読者の気持ちを軽くすることを目指して話を進めている。書かれていること自体はむしろシンプルなのだが、そもそも「いい上司」であること自体が誰にとっても難しいからだ。
だからこそ、困難なことのように考えてしまう方には次の2点を知ってほしいとキム氏は記している。
2)いい上司になる方法はあなたが思っているよりも難しくない
(「まえがき」より)
こう断言されると、多少は気持ちが楽になるのではないだろうか? ぜひとも本書のCHAPTER 1を熟読し、キム氏の思いをしっかりと理解したいところである。
CHAPTER 2は指南書的なアプローチ
そして、そこまでクリアできれば、CHAPTER 2に書かれていることをより活用できるようになるだろう。なぜならこちらは、CHAPTER 1で学んだ考え方を実践するための指南書になっているからだ。
直属の部下と「徹底的なホンネ」の関係を築くための手法が、段階的に細かく解説されているのである。また、チームを導いて結果を出すために、「徹底的なホンネ」がどのように役立つのかについても、わかりやすく書かれている。
組織の多様性やリーダーシップの問題に悩んでいる人にとって、「徹底的なホンネ」の関係を築けるかどうかは重要な問題だ。ましてや性別、人種、文化が違えばなおさら、「徹底的なホンネ」の関係を築くことは難しくなる。
自分と同じような人にさえホンネは出しにくいものなのだから、見た目も言葉も考え方も違う相手には、なおさら出せないに違いない。
人は誰しも、自分と違う人を前にすると、「摩擦を回避」したり、「イヤミな攻撃」をしたり、「過剰な配慮」をしてしまうものだ。しかし、そんなぎこちなさを克服し、自分自身に対しても、他人に対しても、同じ人間として気持ちを通わせることができたとしたら、そこが変化に向けての突破口になるかもしれない。キム氏は本書を通じ、そんなことを伝えようとしているのである。
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