人望のない上司は部下のホンネがわかってない 仕事上の鎧を捨て正直に伝えることが大事だ
『GREAT BOSS(グレートボス):シリコンバレー式ずけずけ言う力』(キム・スコット著、関美和訳、東洋経済新報社)の著者は、さまざまな仕事を経験後、共同創設者兼CEOとしてジュース・ソフトウェア(Juice Software)を起業したという経歴の持ち主。
当時は決して理想的な上司ではなかった
残念ながら同社は破綻してしまったのだが、以後はグーグルにおいて、アドセンス、ユーチューブ、ダブルクリックの営業と運用チームを牽引。アップル大学の教員を経て、キャンダー・インクを創設した。
現在は、ドロップボックス、ツイッターなど、いくつかのハイテク企業でアドバイザーを務めている。
いかにも、やり手という印象である。ところが本人は、少なくともジュース・ソフトウェア時代には、決して理想的な上司ではなかったと当時を振り返っている。
かつて自身が「クソ上司」に侮辱され嫌な思いをしてきたからこそ、ジュース・ソフトウェアでは「社員が仕事も同僚も愛せるような環境」をつくることを目標にしてきたのだとか。しかし、それが間違いだったというのだ。
指導力不足はチームの機能不全へとつながり、それがジュース・ソフトウェアの破綻という結果に行き着いたわけだ。だが、そののち大学院で同級生だったシェリル・サンドバーグに連絡したことがきっかけとなって、キム氏の可能性は大きく開かれる。
現在はフェイスブックの最高執行責任者であるシェリルが、グーグルに在籍していた時期のこと。キム氏は採用通知を受け取り、中小企業クライアント向けのアドセンスの営業とサービスを担当する100人のチームを率いることになったのである。
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