今や子どもの将来なりたい人気の職業の1つが「ユーチューバー」という時代です。サクセスストーリーが伝説に終わらずに、かついろいろなジャンルから売れるきっかけを作り出していることが支持される理由の1つでしょう。
さらに、年齢層も広がっているそうです。YouTubeユーザーの大半を占めるのが1980年代から2000年代初頭に生まれたミレニアル世代ですが、1940年代、1950年代生まれにまでユーザー層が広がっています。そんな事例としてパーク氏は「ゲームを楽しむ79歳の女性」が開設しているチャンネルを紹介していました。
「YouTube制作のオリジナル番組を打ち出していることもアジアをはじめ、世界でユーザーを獲得していることにつながっている」ともパーク氏は話していました。YouTubeは2015年に有料サービスとして「YouTube Red」を本国のアメリカから始めています。その後、サービス名を「YouTubeプレミアム」に変えていますが、すべての動画で広告が出なくなる月額課金制のサービス内容には変わりはありません。
音楽サブスクリプションサービスも追加料金なしに利用できます。現在、サービスが展開されている国・地域は日本を含め、29カ国に拡大し、これまで50本以上のオリジナル番組を制作しています。
「リバイバル」と「K-POP」が人気を牽引
オリジナルコンテンツの例には1984年の名作『ベスト・キッド』公認の続編として制作された『コブラ会』があります。『ベスト・キッド』の主人公ダニエル・ラルーソーと、彼と戦ったジョニー・ロレンスの34年後を描くストーリーです。ダニエル役のラルフ・マッチオと、ジョニー役のウィリアム・ザブカが1984年と同じ役で再登板し、過去の映像も使われています。
これまでエミー賞のノミネーションを受け、2018年5月に配信公開されて6カ月間で5500万ビューを記録。タイトルの『コブラ会』は2018年にグーグルで最も多く検索されたワードにもなったそうです。3月に開催された世界最大級の音楽、映画、テクノロジーのイベント「SXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)」では、6月公開予定の『コブラ会』シーズン2のワールドプレミア上映も行われました。
そもそも、名作のリバイバルは固定ファンを獲得しやすい利点があります。懐かしさだけで十分に楽しめますが、NetflixやAmazonプライム・ビデオのオリジナル番組と比べると、『コブラ会』に今どき感はなく、昔ながらのテレビドラマの演出スタイルです。
パーク氏いわく、「YouTubeプレミアムのオリジナルは他社のSVODサービスで言われているような莫大な制作費をかけてはいませんが、幅広い層に楽しんでもらえるような作品をそろえています」とのこと。ネットオリジナルの裾野を広げるための戦略とも言えます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら