Netflixがアカデミー4部門を制した深いワケ

ネット配信から「劇場公開」される時代に

Netflixオリジナル映画 『ROMA/ローマ』。1970年代のメキシコシティ、コロニア・ローマ地区を舞台に、全編にわたりほぼスペイン語。65ミリフィルムで撮影された、超高解像度なモノクロ映像は劇場のスクリーンにも映える(写真:Netflix)

メキシコ、インドが舞台の2作品でアカデミー4部門制覇

アメリカ・ロサンゼルスで2月24日(現地時間)に開催された第91回アカデミー賞でNetflixが4部門を制覇しました。ネット配信サービス系スタジオがオスカーを手にする時代となったのです。映画『ROMA/ローマ』が監督賞・外国語映画賞・撮影賞の計3部門を受賞。そして、ドキュメンタリー『ピリオド-羽ばたく女性たち-』が短編ドキュメンタリー映画賞を受賞しました。2作品ともにNetflixオリジナルです。『ROMA』に関しては3月9日から日本でも劇場公開されることが3月6日に発表されたばかり。オスカー獲得後のこの時期に今見るべき最適な作品でしょう。それには深いワケもあるからです。

この連載の一覧はこちら

それを明かす前に、作品が評価されたポイントを説明します。『ROMA』の監督のアルフォンソ・キュアロンがアカデミー賞で監督賞を受賞したのはこれで2回目。ジョージ・クルーニーとサンドラ・ブロックが共演したSF映画『ゼロ・グラビティ』(2013年)で受賞しています。

でも、作風は異なります。

『ROMA』は外国語映画賞を受賞したメキシコ映画です。また全編65ミリ高解像度画質のモノクロフィルムで撮影され、ドキュメンタリー風の長回しのスタイル。撮影賞も受賞し、評価されました。そして、キャスティングにも違いがあります。主役の家政婦役クレオを演じるヤリッツァ・アパリシオは今回のアカデミー賞で主演女優賞にノミネートされましたが、代表作は『ROMA』のみ。ほかの出演者も無名です。70年代の中流家庭を扱った普遍的なストーリーが描かれています。

次ページ『ピリオド-羽ばたく女性たち-』は…
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 「合法薬物依存」の深い闇
  • 井手隊長のラーメン見聞録
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
変わる日立<br>IoTで世界へ挑む

日本を代表する巨大総合電機企業が今、「脱製造業」ともいえる動きに舵を切っています。攻めの主役は「ルマーダ」。社長の肝煎りで始まった独自のIoT基盤です。データを軸にGAFAと組むことも辞さないという改革の成否が注目されます。