乃木坂46などこれまで数々のアイドルグループを世に送り出してきた秋元康が、新たに仕掛けているのはダイバーシティー(多様性)な高校生グループ。『青春高校3年C組』の番組タイトルで地上波×配信×舞台で展開しながら、手塩にかけて育てています。
4月3日に新宿キースタジオで始まったレギュラーライブ公演初日にも秋元康の姿がありました。仕掛け方そのものは既定路線とも言えますが、今までとは何かが違う。そんな違和感さえも覚える新たなアイドルがなぜ今、先行投資されているのでしょうか?
乃木坂46、AKB48、昭和の時代にもさかのぼるとおニャン子に至っても、秋元康が企画するアイドルは「身近さ」に焦点が当てられています。「会いに行けるアイドル」というキャッチフレーズからもそれがうかがえました。
ただし、そうは言ってもグループに仲間入りするのは「スクールカースト」で例えるなら、上位を位置する面々です。外見的に「かわいさ」を求めるアイドルのイメージを覆すものではありませんでした。だからこそ、『青春高校3年C組』のメンバーにこれまでとの路線の違いを感じるのです。
「理想のクラス」の実態とは?
目指しているのは「理想のクラスを作る」ことだと言います。理想といっても、姫や王子タイプだらけの非現実的なものではありません。オーディションを経てクラスの「生徒」になったメンバーは、アイドル顔も太っちょも、ネクラもおばちゃんキャラもLGBTも、肌の色の違いもあるさまざまな顔ぶれ。青春時代の高校のクラスの同級生の顔を思い浮かべたときの、そのままといった具合です。
その何が理想かというと、決してそこにカーストが作られるわけではなく、個性を持った高校生一人ひとりにスポットライトを当てていくこと。それが「理想のクラスである」というメッセージを発信したアイドル集合体なのです。
そんな彼らの活躍の場として、番組が展開されています。主力のターゲットは同年代の中高校生や大学生。それはつまり今ではもう「テレビを見ない」世代ですが、秋元康と共にこの『青春高校3年C組』プロジェクトに総力を挙げてテレビ東京も取り組んでいます。「テレビから新しいアイドルを作り出す時代は終わった」とも言えるなかで、テレビ局が関わっていることにも理由があるからです。
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