テレビ放送外で人気になった『おっさんずラブ』
劇場版『おっさんずラブ』が今夏、全国公開されます。地上波で放送された連続ドラマの映画化という十八番の流れではありますが、サクセスストーリーを歩むきっかけの1つに、見逃し配信の反響がありました。じわじわと配信で実績を上げ、今ではコンテンツを最大限に展開しながら収益化するモデルを実践する『おっさんずラブ』に今回、注目します。
見る者にピュアな気持ちを思い起こさせ、これまでになかったおっさん同士の恋愛を丁寧に描く作品として爆発的な人気を得た『おっさんずラブ』。言わずと知れた作品ですが、実は叩き上げでのし上がっていきました。2016年の年末深夜に単発ドラマとして放送されたのが事の始まり。人気原作を基にしたものでもなく、完全オリジナルであったにもかかわらず、当時からネット上で話題を呼んでいました。
晴れて2018年4月クールにテレビ朝日系列の深夜帯連続ドラマとして昇格すると、主演の田中圭をはじめ、ヒロイン役を演じた吉田鋼太郎、ライバル役の林遣都の3人の演技やそれぞれのキャラクター設定、ストーリー展開が評判になり、瞬く間に話題のドラマとして取り上げられていきました。
でもその時点では通常の人気ドラマとしての扱いにすぎませんでした。平均視聴率が4%ということもあり、あくまでもテレビ朝日局内では「話題にはなっているけれど、リアルタイムの視聴率はいまいち」と冷静な見方がありました。
そこから流れを変えたのは、見逃し配信をはじめとする放送外の展開でした。それがわかるのは第1話の放送から約半年を経た2018年9月26日開催のテレビ朝日定例記者会見での発言です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら