「日本人のテレビ離れ」論が実は全然違うワケ

ネットに滅ぼされるものでも何でもない

テレビ離れが加速していると言われるが、テレビ番組やテレビ局は本当に衰退してしまうのか?(写真:patat / iStock)
インターネットの普及後、度々叫ばれる「テレビ不要論」。現在は、NetflixやAmazonプライム、AbemaTVなど地上波放送に代わるネットサービスも増えてきている。近い将来、日本のテレビ番組やテレビ局は衰退してしまうのか? 8月『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』を出版した、お笑い評論家のラリー遠田氏が解説する。

ライブドア vs. フジテレビ

2005年、ライブドアがフジテレビの買収に乗り出した騒動が話題になっていた。ことの発端は、フジテレビが形式的な親会社だったニッポン放送の株についてTOB(株式公開買い付け)を行ったことだ。「資本のねじれ」を解消しようと試みたのだ。ところが、ここにライブドアが割って入り、時間外取引でニッポン放送株の35%を取得。その後、50%超まで買い進めていった。最終的にはフジテレビとライブドアの和解が成立してこの騒動は収束した。

新興のネット企業が老舗の大手テレビ局を買収してしまうかもしれないという未曾有の事態に、世間は大きな騒ぎになった。当時は世論としても、テレビ局に同情的な声のほうが多かったように思う。「ぽっと出のネット企業がフジテレビを乗っ取ろうとするなんて身のほど知らずだ」というような意見が強かった。当時ライブドアの社長だった堀江貴文が、歯に衣着せぬ物言いをする生意気なキャラクターだったことも、反感を買う要因になっていた。

このころ、メディアでは「放送と通信の融合」というフレーズがさかんに使われていた。ただ、その意味するところを正確に理解している人は、ほとんどいなかったのではないか。仮にネット企業がテレビ局を本当に買収してしまったとき、そこで何が起こるのか。誰も具体的なビジョンを思い描くことはできていなかった。

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