民放5局の見逃し番組配信「TVer」が残念だ 100万ダウンロードも喜んでいられない
「見たいと思っていたあのテレビ番組を見逃してしまった!録画もしていなかった……」
普段よくテレビを見る人なら一度や二度はそういう経験をしたことがあるはずだ。知り合いにたまたま録画していた人がいれば、なんとか頼み込んでDVDやブルーレイにダビングしてもらったり、各テレビ局が主に有料で展開するオンデマンドサービスで探して購入したりなど、見逃したテレビ番組を合法的に見る方法はなくはないが、なんともめんどくさい。
そんな視聴者の要望に応えるサービスがこの秋、スタートしている。日本テレビ放送網、テレビ朝日、TBS、フジテレビジョン、テレビ東京の在京民放5局が連携して10月下旬に開始した公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」である。
1週間、無料でテレビ番組が視聴できる
TVerはウェブサイトまたは専用スマホアプリで、参加しているテレビ局がオンエア後から1週間に限って、無料でテレビ番組を配信するサービスだ。スタートから3週間の11月19日には早くも累計100万ダウンロードを突破したということで出だし上々のムードながら、課題も少なくない。
そもそも、今、なぜこの見逃し配信サービスが始まったかというと、横行するテレビ番組の違法ネット配信への対抗措置であることは明らかだ。今年に入り、あのコワモテ俳優の遠藤憲一が刑事に扮し、番組を違法アップロードしたオタク青年を半ば脅し気味に取り調べ、「テレビ番組のアップロード それ違法です。」とキャッチコピーが出てくるCMや、番組内で「番組をインターネットに許諾なく公開することは違法です。」とテロップを流すなどの「放送番組の違法配信撲滅キャンペーン」が行われている。その流れに沿って、違法なネット配信を駆逐するための受け皿としての、合法「見逃し配信サービス」という側面がありそうだ。
もっとも、見るほうにしてみれば、そのサイトが違法か合法かなどあまり気にしていない人も少なくないのかもしれない。たとえば、ある番組が話題になったとする。それをネットでも見てみようとなったら、「番組名 動画」とネット検索して、出てきた動画が仮に違法アップロードだったとしても、特に罪の意識なく見ている人も少なからずいるはずだ。
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