アマゾンの動画配信は、非常識の塊だった 「プライムビデオ」が他社サービスと違う理由
9月24日、アマゾンが日本で記者発表会を開き、「プライムビデオ」のローンチと「Fire TV」をはじめとする視聴ハードウェアの予約を開始した。価格など細かいことはいろんなメディアが報じているだろうからここでは省略して、プライムビデオに隠されたテクノロジーと、彼らが狙うものを探ってみたい。
冒頭挨拶に立った、アマゾン・ジャパン代表取締役社長のジャスパー・チャン氏は、アマゾン・プライムは8年前にサービスをスタートし、順調に推移していること、特に日本の伸びは早く、年間で50%以上の伸び率であることを紹介した。
「日本最大のDVD量販店」でもあるアマゾン
実際に筆者もアマゾン・プライムに加入してもう何年にもなるが、お急ぎ便が使えることや、アマゾン・プライム対象商品は送料無料であることなど、多くのメリットを享受している。
以前は送料を節約するために、欲しいモノがいくつか貯まるまでカートの中で寝かしていたものだが、それだと急ぎのものが買えない。年会費は3900円だが、年間10回も利用すれば元が取れる。今ではプライム対象商品じゃないと買うのを躊躇するレベルにまで洗脳させてしまっている。読者諸氏も利用者は多いことだろう。
24日にローンチしたプライムビデオは、アマゾン・プライム会員であれば無料で利用できるストリーミングサービスだ。逆に言えば、プライムビデオだけを利用するコースというのはない。これを執筆している24日現在、すでにウェブサイト上では作品を見ることができる。
日本で見られるコンテンツのうち、およそ7割は日本国内で制作されたものだ。現時点ではDVD化もされていない、プライムオリジナルのAKB48のライブなどが配信されている。テレビ番組の見逃し配信も始まる。ただ24日時点では、見逃し配信は行なわれていない。今後は、アマゾンの資本で制作するオリジナルコンテンツも充実してくるものと思われる。
作品数はもちろん、多いに越したことはない。だがアマゾンの強みは、コンテンツの手配力だけではないと思っている。いちばんの強みは、アマゾンが日本でいちばん多くDVDを売っている量販店であるということだ。すなわち、日本での売れ筋を彼らは完全に把握している。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら