家財道具共有サイトは事業として成り立つか AirbnbやUberと似て非なるもの?

拡大
縮小
ステファニー・チアンチオ(右)はピアバイ・ドットコムを利用し、左の男性からBluetoothスピーカーを貸りることができた (Jason Henry/The New York Times)

2014年、サンフランシスコに住むステファニー・チアンチオの車から、何者かがカーステレオを盗んでいった。だが、彼女には新しいものを買う時間もおカネもなかった。それは、チアンチオにとって特にショックなことだった。

というのも、彼女は独立記念日の連休を利用して、カリフォルニア州のファーン・キャニオンに車で4日間の旅に出ようとしていたからだ。8時間のドライブの間、音楽なしで過ごすことを考えると憂鬱だった。

そこで、チアンチオはピアバイ・ドットコム(Peerby.com)にログインし、窮状を訴えた。すると40分ほどのうちに、旅行の間ビーツ社製のBluetoothスピーカーを貸してくれる人とつながったのだ。「『とても簡単だ』と思った。しかも料金もかからなかった」と、チアンチオは言う。

「新しいものを買いに行ったり、アマゾンで注文したりするより簡単で速かった」

iPadや自転車、必要なものをリクエスト

チアンチオのように、モバイルアプリを使って、必要なものを近所の人から無料で、あるいは有料で借りる人が増えている。借りるものはパワードリルからドローンまで多岐にわたる。これは、Airbnb(エアビーアンドビー)やUber(ウーバー)やLyft(リフト)などの延長線上にあるビジネスだが、対象とするのは家財道具だ。

iPadを買う前に試してみたい、どこかの街を旅行中に自転車が必要――そんな場合でも大丈夫。ブラインドを吊るすためにパワードリルを使いたい――それも、マウス1度をクリックすれば解決だ。

こうしたトレンドに乗ろうと、ピアバイを先頭にいくつものウェブサイトが登場している。ピアバイは2012年にアムステルダムで事業を始め、その後ロンドンやパリなどヨーロッパの20都市に事業を拡大。アメリカでは、ニューヨークなど10都市で試験的なプロジェクトを行っている。

次ページ2015年末には登録会員数は50万人とも
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT