番組ネット配信「TVer」は"同床異夢"だった

広告代理店の焦りが生んだビジネスモデル

スマホで日本の民放のテレビ番組をサクサク見ることができるという触れ込みだが・・・(写真:Ushico / PIXTA)

7月16日、在京民放各社がコンテンツを提供する、無料のインターネット番組配信ポータル「TVer(ティーバー)」が発表された。運営主体は民放5社(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)と広告代理店4社(電通、博報堂DYMP、ADK、東急エージェンシー)が出資するプレゼントキャストだ。

定額の映像配信サービスを展開するネットフリックスが参入する10月を見据えてサービスを開始する予定で、各局とも毎週10番組程度の無料番組配信を行う。発表ではTVerが「違法な動画共有サイトやインターネット中継などを撲滅する」ことにもつながるとしている。パソコンやスマートフォン、タブレットでの視聴環境が提供される模様だ。

日本のテレビがネットに舵を切った?

発表後、いよいよ日本の放送局もネット時代へと大きく舵を切ったようだ、といった論調も見掛ける。しかし、実際に関係各所に話を聞いてみると“大きく舵を切る”ものではなく、各局のTVerに対する姿勢にも大きな温度差が見えてくる。

“在京民放キー局が一丸となって取り組む”と言えるほど、周辺の環境や意識がそろえられていないためだ。そもそもTVerはなぜ生まれたのか。そこを掘り下げると、その実態が見えてくる。

TVerは、言い換えれば各社が行っているテレビ番組の見逃し視聴サービスを、統一したブランド、統一されたルールの元で配信しようというものだ。無料配信時に挿入する広告販売は民放各社が個別に行うが、「利用者の入り口」をひとつにしようというわけだ。

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