フジ提携のネットフリックス、その真意とは

トップが予言する、既存テレビの長期的衰退

日本でテレビを観る、ネットフリックスのヘイスティングスCEO(撮影:尾形文繁)

有料動画配信の世界最大手、米ネットフリックスは17日、フジテレビジョンから独自番組の供給を受けることを明らかにした。今秋、日本市場に参入するのに伴い、フジの人気リアリティー番組「テラスハウス」の新作と、新たに制作する連続ドラマ「アンダーウェア」(英題:アトリエ)を配信する。フジ以外の放送局や映像制作会社とも同様の取り組みが進んでおり、日本でのサービス開始を前に早くも台風の目となり始めた。

そもそも、ネットフリックスとは何者なのか。祖業はツタヤディスカスのようなDVDレンタルだったが、現在の柱は広告のない映画やドラマがインターネット経由で見放題になるサービスだ。

時価総額は5兆円にせまる

料金は毎月7.99〜11.99ドル(米国の場合)。月に数千円かかるケーブルテレビ(CATV)や、ディスクの返却が必要なDVDレンタルから利用者を奪い、世界約50カ国で6227万人(3月末)の会員を集める。売上高はまだ55億ドル(約6787億円)だが、その成長力のすさまじさから時価総額は396億ドル(約4.8兆円、16日の終値ベース)に上る。

原動力の一つが、今回フジと取り組むような独自コンテンツ。皮切りは2013年2月。独自制作した政治ドラマ『ハウス・オブ・カーズ(邦題:ハウス・オブ・カード 野望の階段)』を大ヒットさせた。1話ずつの配信という定石を覆し、1クールを一挙に配信したところ、テレビにかぶりついて何話も連続して見る人が続出。「binge watch(イッキ見)」と呼ばれる社会現象まで生んだ。

ネットフリックスはこの作品で、監督にデビッド・フィンチャー、主演にケビン・スペイシーを起用するなどし、制作費に1億ドル(約123億円)の巨額を投じた。その後も『オレンジ・イズ・ザ・ニュー・ブラック』や『デアデビル』といったヒット作を連発している。この成功をみて、同業の米フールーやアマゾンも独自コンテンツに注力。動画配信サービスによる投資が、米国の映像制作業界を潤わせている状況だ。

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