ネオコンの終焉とオバマの外交政策

イアン・ブルマ 米バード大学教授/ジャーナリスト 

 ブッシュ大統領の任期が終わろうとしている。ブッシュ政権の外交政策を支えてきたネオコンと呼ばれてきたインテリは、これから何をするのだろうか。

米国の政治史上、ネオコンのような少数のインテリが外交政策に大きな影響を及ぼした例はほとんどない。

週刊誌『ウィークリー・スタンダード』のようなネオコン系の雑誌への寄稿やアメリカン・エンタープライズのような保守的なシンクタンクでの講演を通じて、ネオコンはイラク侵攻に論理的な根拠を与えてきた。自由を世界に広めるのが米国の使命であるという論理は、建国の父以来、米国の歴史に深く根差したものである。欧州やアジアの同盟国はイラク戦争に反対したが、米国の軍事力に支えられた新しい世界民主主義の幕開けに対する想像力に欠けた臆病な反応であると退けられた。

もはや誰もネオコンに対して郷愁を抱くことはないだろう。ネオコンはマケイン共和党大統領候補の外交顧問として最後の抵抗を試みた。だが今のところネオコンは誰一人としてオバマ次期政権の要職に指名されていない。

ネオコンも含めて、インテリとはシンクタンクや大学といった聖域以外では無力な存在であり、自分たちの思想を実行してくれる強力な指導者に簡単に魅了されてしまう傾向がある。もちろん彼らの理想主義が政治に影響を与えたからといって悪いわけではない。

だが賢明な指導者というものはプラグマティックでなければならない。現実の問題を解決するには妥協と和解が不可欠だからである。狂信者だけが自分の思想を極限まで実現しようとする。つまり強力な指導者と権威的な理想主義者が結び付くと愚かな政策に陥ることがある。

これはブッシュ大統領とチェイニー副大統領がネオコンの思想を受け入れたときに生じた状況である。もともと大統領と副大統領はプラグマティックな人物であったはずだ。ブッシュ大統領は当初は用心深い保守主義者であり、国内政策では穏健で、外交では謙虚であろうとしていた。チェイニー副大統領も大胆な理想を抱いた人物というより、冷徹で官僚的な人物として知られていた。

しかし彼は大統領の権力を拡大するという考えに取りつかれてしまった。独裁者的な野心と誤った理想主義は、同時テロ直後に一気に燃え上がり一体化した。ただ、仮にイラクが安定して調和の取れたリベラルな国家に発展したとしても、イラクで流された血と米国が支払った資金負担という代価はあまりにも大きすぎ、ネオコンが主張してきた軍事的介入を正当化することはできない。

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