「外資系トップ」が教える管理職1年目の基本 人事や総務リーダーこそ「ビジネスセンス」を
強いメンタリティが最低条件
外資系企業は退職などでポジションが空けば、すぐに採用活動を行います。
ヘッドハンターから紹介された複数の候補者に対して募集部門の責任者が面接を行うのですが、候補者から「御社はどのような人材を求めているのですか?」と逆に質問をされることもあります。そのようなとき、アメリカ系投資銀行の調査部門ヘッドの佐々木さん(仮称)は次のような例え話をするそうです。
「ベトナム戦争のときに、2人のアメリカ軍兵士がヘリコプターから敵地の真っただ中に降ろされた。ところがトラブルのため、予定されていた後続部隊の派遣や物資の補給ができなくなり、2人は孤立してしまった。1年後、1人はジャングルの中で白骨死体で発見された。もう1人は、近くの街で中華料理屋を開いて大繁盛させていた。求めているのは後者のような人材である」
もちろん入社後は、会社は必要なものは提供して、上司もそれなりの指導をします。しかし、会社や上司が何かをしてくれることなどはなから期待せずに、「自分で成長して結果を出してやる」という気概がなくてはいい仕事はできません。敵地のジャングルに放置されても、「ちょうどいいや」で商売を起こして繁盛させるような、たくましいサバイバル力が必要です。
仕事がうまくいかないと、すぐに、会社や上司が「~してくれないから」と言い訳をする人たちを「くれない族」と呼んでいました。そのような人はチームの重荷になるだけです。ジャングルの例え話への反応を見ながら、採用段階であえて厳しいスクリーニングをかけているのです。
佐々木さんが働く投資銀行業界は、世界中の優秀な人材がグローバルに競争を繰り広げている世界です。先ほどの例え話は、逆境でさえ好機として捉えるような強いメンタリティが、この業界でやっていくための最低条件であることを示唆しています。
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