「外資系トップ」が教える管理職1年目の基本 人事や総務リーダーこそ「ビジネスセンス」を

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管理部門の価値向上とは単にコスト削減のことだけではありません。社内に提供しているサービスの質、量を高めるのはもちろんのこと、環境やテクノロジーの変化に応じたサービス内容の変更、他社や外部業者比較でその水準が高いものであり続けるための、プロセスの改善や人材育成なども含まれます。

いかに社員の円滑な業務を支援することができるのか、いかに社員が本来業務に割ける時間を最大化できるのか、このような視点で知恵をめぐらせることが、本質的な社内顧客サービスの考え方でありビジネスセンスです。

一例を挙げると、法令遵守のためのコンプライアンス部門です。法の精神から逸脱するようなこと、あるいは企業倫理に反するようなことに対しては、たとえ抜け道があったとしても毅然としてNOを突きつける。

一方で、法令や企業倫理の本質的な実効性を維持しつつ、オーバー・コンプライアンス(必要以上に過剰なコンプライアンス)にならないよう、現場の負担を減らし自由度を増すことでビジネスをサポートする。

これが、コンプライアンス担当者にとってのビジネスセンスであり、このようなことができる人材は社内でも転職市場でも高く評価されます。

その逆に、法令を過剰なまでに安全サイドに解釈して、意味のないルールや形式的な書類ばかりを増やすような担当者は評価されません。問題が起きたときの自分の責任を極小化しようとするあまり、ビジネス現場の生産性を毀損しているからです。

管理職1年目のマネジメントの基本

急速な技術革新やグローバル化による単一市場化の潮流の中で、会社組織や事業構成、必要とされる専門性やスキル、社員の置かれている環境がますます流動化していきます。

いまの組織、いまの役割、いまの自分への評価は、将来大きく変わっていくでしょう。いつ何時、どこから敵が飛び出してくるのかわからないような危険なジャングルに放り出されるわけです。

そのようなときこそ、どのような仕事をしていようが、自分たちのサービスが価値として評価してもらえるような人や組織であり続けるためのビジネスセンスが必要です。

特に管理職1年目のリーダーはチームマネジメントの第一歩として、

① 自分たちの顧客が誰であるかを明らかにしてチームで共有する
② 健全なかたちで顧客満足度を高める価値提供とは何かをチームで共有する
③ 顧客からのフィードバックを受け続ける

以上のことをチームメンバーと話し合いながら実践していくとよいでしょう。

櫻田 毅 人材活性ビジネスコーチ

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さくらだ たけし / Takeshi Sakurada

アークス&コーチング代表。九州大学大学院工学研究科修了後、三井造船で深海調査船の開発に従事。日興證券(当時)での投資開発課長、投資技術研究室長などを経て、米系資産運用会社ラッセル・インベストメントで資産運用コンサルティング部長。その後、執行役COO(最高執行責任者)として米国人CEO(最高経営責任者)と共に経営に携わる。2010年に独立後、研修や講演などを通じて年間約1500人のビジネスパーソンの成長支援に関わる。近著に『管理職1年目の教科書』(東洋経済新報社)がある。

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