アメリカ軍にとって横田は空輸の巨大ハブ
──日本ジャーナリスト会議賞の『「日米合同委員会」の研究』で1章を割いたテーマの全面展開です。
横田空域を避けるために、羽田空港から西に向かう定期便は急上昇を強いられ、小松便などはすぐに急降下。また、羽田への着陸時は南へ迂回する必要があり、ルートが限られるため渋滞が常態化、ニアミスが懸念されます。
民間機の効率的かつ安全な運航を妨げる巨大空域が首都圏にあることは異常です。同じ敗戦国でアメリカ軍基地があるドイツ、イタリアにはありません。この空域は日米関係を象徴しています。
──一種の治外法権ですね。
日本政府も返還要求をしてこなかったわけではありません。実際、8回にわたり部分的な返還はあるが、全面返還には至らない。アメリカ軍にとって横田がアジア、西太平洋での空輸の巨大なハブだからです。
──アメリカ軍の管制には法的根拠がない。
日本には憲法体系とは別に安保法体系がある。対日講和条約と同時に日米安保条約、日米地位協定が発効し、地位協定に基づいて協議機関としての日米合同委員会が発足しました。
この委員会はアメリカ軍が日本で占領期と同様の行動を可能とするためのもので、議事録、合意文書は非公開。“航空管制委任”もこの密室内での合意によります。情報公開請求をしましたが不開示。国会議員が要求しても要旨くらいしか出てきません。外務省は「事実上の問題として委任」と言っているので正式ではない。
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