ホリエモンロケットが拓く「超小型衛星」市場 宇宙データを利活用したビジネスが急拡大
「皆さんが思っている以上に大きなマーケットがあると思っています」
元ライブドア社長で実業家の堀江貴文氏が期待を大きく寄せているのが、人工衛星の打ち上げ用ロケット市場だ。
堀江氏が創設に携わった小型ロケット開発会社「インターテスラテクノロジズ」は3月19日、衛星打ち上げロケット「ZERO」の開発計画を発表した。堀江氏は「2023年には初号機を打ち上げて、すぐに量産していきたい」と述べ、ロケット市場へ本格的に参入する。
小型衛星市場は2027年までに累計7000機に
同社の狙いは、超小型衛星市場だ。稲川貴大社長は「われわれが狙うのは超小型衛星を載せる小型ロケットへの需要」と語る。ZEROは、重さ100キログラム以下の超小型衛星を高度500キロ近辺の宇宙空間へ運搬することができる。背景には、小型衛星の打上げ数が今後急拡大していくことが見込まれるからだ。
宇宙工学事業を手掛けるアメリカのスペースワークス社によると、重さ50キログラム以下の超小型衛星の投入は2016年までは年間200機未満だったが、2017年以降に急増。2019年は最大393機まで投入される可能性があるとし、今後も大きな増加が推測される。
宇宙関連の調査会社ユーロコンサルも、重さ500キログラム以下の小型衛星が2027年までに累計7000機、打ち上げられると予測する。小型衛星打ち上げが相次ぐのは、宇宙から地球を観測するデータの利活用が民間で進んでいることなどがある。
しかし、人工衛星の打ち上げ希望数が増えても衛星を搭載して宇宙空間まで運ぶロケットの打ち上げ機会はまだ少ない。現在世界でも衛星を搭載したロケットの打ち上げ機会は年間20~40回程度で、打ち上げ希望のある人工衛星数と大きな差がある。
そのため少ないロケットの打ち上げ枠に複数の小型人工衛星が相乗りする状態が続いている。人工流れ星ベンチャーとして注目を集めるALE(エール)は1月17日に打ち上げられたJAXAの「イプシロン」4号機に、人工流れ星を放出するための小型人工衛星を載せたが、ほか6機の人工衛星と相乗りだった。
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