「下町ロケット」異例のヒット生む緻密な戦略

TBSと池井戸潤「半沢直樹」の再来なるか

TBSはあの「半沢直樹」以来の大ヒットを狙っているようだ

TBSテレビ系で10月中旬にスタートした連続ドラマ『下町ロケット』(毎週日曜よる21時放送)が、異例の盛り上がりを見せ始めている。

右肩上がりの視聴率

通常、テレビの連続ドラマの視聴率は第1話にピークをつけることが少なくない。各テレビ局とも番組宣伝を積極的に仕掛け、メディアでも前評判が報じられ、視聴者の期待を高めてスタートするからだ。ただ、その肝心な初回で視聴者の心をつかめずに、続く第2話、第3話……と初回を超えられずに下がってしまうケースが散見される。

ところが、下町ロケットの平均視聴率は初回16.1%で好発進した後、第2話が同17.8%、11月1日に放送された第3話は18.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同じ)と、回を追うごとに右肩上がりに伸びている。

下町ロケットの原作は第145回直木三十五賞を受賞した池井戸潤さんの同名小説。文庫版を含めて累計130万部を超えるメガヒット作である。阿部寛演じる主人公、佃航平は宇宙開発の研究員だったが自身の開発したエンジンを載せたロケットの打ち上げに失敗。その責任を取らされ退職し、父親の遺した町工場を継ぐ。しかし、捨てきれないロケット開発の夢を追い続ける。大口取引先を失ったり、商売敵から特許侵害で訴えられたりなど、いくつもの苦難に直面しながらも、それを乗り越えていくというのが主なストーリーだ。

「下町ロケットは、20%を超えてくることもありうる」

テレビ業界の間では、そんな声も飛び交い始めた。TBS関係者も「下町ロケットは2013年に放送されたあの大ヒット作のときと同じような手応えを感じている」と話す。あの大ヒット作。記憶に残っている人も多いだろう。2013年7~9月に同じ日曜21時の「日曜劇場」の枠で放送された『半沢直樹』である。

半沢直樹は全10話の平均視聴率が28.7%。最終回は42.2%と驚異的な大ヒットとなったが、実は初回の平均視聴率は19.4%だった。このときも回を追うごとに視聴率を伸ばしていった。前評判の高さで集めた注目を、さらに視聴者の関心に変え、メディアでの報道や口コミなどでどんどん好循環を生んでいくという、まさに国民的なムーブメントを作り出した。

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