日テレ「偽装の夫婦」高視聴率を生んだ仕掛け あの「家政婦のミタ」の名コンビはブレがない

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東京・汐留の日本テレビ放送網近くに大きく貼り出された「偽装の夫婦」の告知。このドラマに賭ける気合いを感じる

この秋に各テレビ局でスタートした連続ドラマは「粒ぞろい」と評判ですが、なかでも日本テレビ系の『偽装の夫婦』(毎週水曜よる10時放送)は異彩を放っています。10月7日の初回放送は平均視聴率が14.7%と好スタートを切り、今日10月28日に第4回放送を迎えます。

同作は天海祐希さん演じる人間嫌いのヒロイン・嘉門ヒロが、人間嫌いになるきっかけを作った沢村一樹さん演じる元恋人・陽村超治と結婚するという夫婦の物語。ところがフタを開けてみたらびっくり。「超治はゲイであり、ヒロはそれを承知で偽装結婚することになった」という強烈なクセを持つ作品だったのです。

ただ、このドラマは奇想天外なストーリーですが、「本当のパートナーとは何か?」という奥深いテーマが隠されています。それを女性がゲイと結婚するとどうなるかということで描こうとしているところにただならぬものを感じます。

ご存じの人もいると思いますが、同作を手がけているのは、日本テレビのプロデューサー・大平太さんと脚本家・遊川和彦さんの名コンビ。いずれも日テレ系の『女王の教室』(平均視聴率17.3%)『家政婦のミタ』(同25.2%)『〇〇妻』(同14.3%)などを手がけてきたドラマ業界屈指のヒットメーカーです。2人が名コンビと言われるゆえんは、高視聴率をたたき出しているだけでなく、オリジナル作品にこだわっていること。何もないゼロの状態からヒットドラマを作り上げているからこそ、称賛を集めているのです。

強烈なヒロインにこだわる理由

なぜ、太平さん×遊川さんのコンビはヒット作を連発できるのでしょうか。まず前述した3つの作品と『偽装の夫婦』を比較してみましょう。……というより、「強烈な個性を持つヒロイン」「過去のトラウマと謎」「真実の愛というテーマ」の3点はほとんど同じ。天海祐希さんが演じた『女王の教室』の鬼教師・阿久津真矢も、松嶋菜々子さんが見せた『家政婦のミタ』の無表情な家政婦・三田灯も、柴崎コウさん主演の『〇〇妻』の契約結婚にこだわる主婦・井納ひかりにも共通する軸がありました。それは、強烈な個性を放ち、トラウマと謎を持ち、どこか真実の愛を求めているところ。つまり、大平さん×遊川さんコンビは、軸になる部分を替えずにドラマ作りをしていることがわかります。

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