「下町ロケット」異例のヒット生む緻密な戦略 TBSと池井戸潤「半沢直樹」の再来なるか
ただ、ネットによる見逃し番組の無料動画配信だけならTBS系のほかのドラマや、ほかの民放大手のドラマでも条件は同じだ。実は下町ロケットには、もう一つ、視聴者に番組を見てもらうためのITによる仕掛けがある。それは、「カレンダー登録」である。
リアルタイム視聴に効果的!?「カレンダー登録」
TBSサイト内にある下町ロケットの番組ページに行くと、「カレンダー登録」というバナーがある。これをクリックすると外部サイトに飛ぶ。スマホやパソコンで登録しておくと、グーグルカレンダーなどに各話放送前の任意のタイミングで、通知時間をイベント登録できる。分、時間、日単位で自由に選べる。筆者も登録していたことで第3話を見逃さずにすんだ。
スケジュールに入れておくと、うっかり見逃してしまうこともない。スケジュール予約も含めて、録画予約していて後で見るつもりだった人も、たまたま時間があればリアルタイムで見るかもしれない。仕事のアポイントメントや会食などの予定をイベント登録している人は少なくないだろうが、テレビ番組を忘れず見るためにわざわざ登録している人は少数派に違いない。面白い視点だ。
筆者が取材してみると、このサービスは、アンカーズというベンチャー企業が開発したシステムだということがわかった。TBSに売り込み、今回採用となったという。具体的な利用者数に関しては非公開ながら、筆者のように偶然使った人もいるのではないだろうか。
スマホは今や日本人の日常生活にすっかり溶け込んだ。逆に言えば、今やスマホに対応していなければ戦えなくなるビジネスはたくさんある。半沢直樹を生み出した原作者と制作スタッフの踏襲。そして、ネット、スマホ時代に対応した視聴環境の提供。下町ロケットには、異例のヒットを生み出すための緻密な戦略が張り巡らされている。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら