ホリエモンロケットが拓く「超小型衛星」市場

宇宙データを利活用したビジネスが急拡大

稲川社長もALEの事例に言及し、「ALEさんの人工衛星は打ち上げられた軌道から1年間かけて希望する軌道に移動していく。相乗りだと最初から希望する軌道に人工衛星を投入できない」と、ロケット不足によって生じる具体的な課題を指摘。また、従来のロケットでの打ち上げは「1回あたり50億~数百億円以上かかる」(宇宙航空研究開発機構、JAXA)ため、人工衛星を利用した宇宙事業の参入障壁になっていた。

堀江氏は「ITでインターネット回線が遅くて値段が高い時代だった頃、『こんな回線使い物になるのか』と言われたこともあったが、(小型ロケットの)今の状況も似たようなもの」とIT業界の黎明期と比較。ロケットの値段が下がれば「ネットでさまざまなことができるようになった現在のように、(今後は)これまでになかった宇宙ビジネスが展開されるかもしれない」(堀江氏)と、ZERO開発の意義を語る。

JAXAの協力で技術面の課題を打破

ただ懸念点もある。同社はこれまで小型観測ロケット「MOMO(モモ)」の打ち上げを実施してきた。ただ、過去2回の打ち上げはともに失敗。2回目は打ち上げ直後にエンジンが停止して地上に落下、爆発炎上した。

全長約10メートルで1段ロケットのMOMOに対し、ZEROは倍の約20メートルで2段ロケットになる。機体の重さもMOMOの約30倍の36トンだ。稲川社長は「MOMOの開発とともにZEROの基礎研究を続けてきた」と話すが、「(ZEROは)開発規模がケタ違いに(大きく)なる。MOMOもまだ1回も成功していないのに」(業界関係者)と不安視する声があがる。

もちろん、稲川社長も「ZEROを単独で開発するのは困難」と認識している。そこで、同社はZERO開発にあたって、技術面や業務面で支援する企業などが参加する団体「みんなのロケットパートナーズ(みんロケ)」を立ち上げた。みんロケには、丸紅、ユーグレナ、JAXAなど8つの企業や団体が立ち上げメンバーとして参加している。

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