ゼクシオ、スリクソンは海外でも戦える 野尻恭・ダンロップスポーツ社長が語る

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――2011年にはゴルフ用品トップでタイトリストなどのブランドを持つアクシネットを韓国の投資会社が買収。2012年にアディダスグループが米アダムスゴルフを買収するなど、ゴルフ業界は再編が進んだ。

縮小市場なので環境的に起こってもおかしくない。国内にもメーカーがたくさんあって苦しいはず。われわれもチャンスのある案件ならば前向きに考える。ただ、ブランドはゼクシオ、スリクソン、クリーブランドの3つがある。これ以上増やすことは現時点であまり考えていない。

男子ツアーは原点に戻るべき

――国内は男子のゴルフツアーが危機的状況だ。ゴルフ人口を増やすためには、プロツアーの人気回復が欠かせない。

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のじり・やすし●東京工業大学卒業後、77年住友ゴム入社。取締役常務執行役員などを経て、2011年SRIスポーツ(現ダンロップスポーツ)社長就任

2014年の男子トーナメント(国内開催)は1試合減り、年間22試合になる。試合に費用がかかり過ぎ、スポンサーが負担する費用が非常に大きい。大きいからスポンサーがなかなか集まらない。プロのプレーをファンに見せるという原点へ戻ったほうがいい。

ゴルフは高齢者から子どもまでできるスポーツだ。トーナメントはプロを近くで見られるのがゴルフ。もっと地元に支えてもらえるようなトーナメントがあればいいと思う。

――2012年に大活躍した松山プロが、2013年は米国に活動の舞台を移すのも国内ツアーにはマイナスだ。

彼の悲願であるメジャー制覇に向かって頑張ってほしい。米国でゼクシオ、スリクソンを売るが、数としてはスリクソンがメインになる。スリクソンが契約する松山プロが世界で活躍してくれることはウェルカム。松山プロならメジャータイトルも取れると思う。マスターズ委員会の人も、英国のゴルフ団体トップも、松山プロは(メジャー王者となる)可能性があると言っている。

(撮影:今井康一)

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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