ゼクシオ、スリクソンは海外でも戦える 野尻恭・ダンロップスポーツ社長が語る
――ただ、今2013年12月期は減益になる計画だ。
ゼクシオ7は販売2年目の年だったが、売り上げはプラスを確保できる。ただ円安が響いて減益になる。
クラブの部材は輸入が大半だ。エイトの初速がいいので、現在の計画(営業利益32億円)より多少よくなるかもしれない。それでも減益を回避するのは無理だ。
国内のゴルフ市場は人口構造の変化でどんどん縮小してきている。2011年に東日本大震災でいったんドンと落ちた。そこから2012年は1%程度増加した。13年は2~3%増と見ている。ただし、回復基調に入ったわけではなく、落ち込みが少し止まっただけだろう。構造的に縮小市場であることは間違いない。
――その中で成長戦略をどう描く?
国内トップシェアの座を盤石にするしかない。その間に、成長市場であるアジアを伸ばしたい。中国の伸びは鈍っているが、インドネシアなどは伸びている。また、アジアではボールのシェアが低く、かなりチャンスがある。ゼクシオとスリクソンのボールをアジアで伸ばす。
現在の海外売上高比率は35%。国内メーカーの中では一番高いと思うが、さらに50%に引き上げたい。
米国での販売に手応え
――世界最大の米国市場では、スリクソンのボールと2007年に買収した米クリーブランドのクラブを展開しているが、まだまだ手薄だ。
ボールではスリクソンのブランドの認知や評価が高まっている。来年はゼクシオとスリクソンのクラブも本格的に販売する。クリーブランドはウェッジでは非常に強いが、ウッドとアイアンがそれほど強くない。クラブではゼクシオ、スリクソンでも攻める。
――日本の場合、ドライバーのメーカー希望小売価格は8万円台が中心。ところが、米国は高価格帯でも399㌦と安い。米国でゼクシオブランドのクラブをいくらで売るのか。
日本とほぼ同じ価格で売るつもりだ。今まで売ってなかった理由は高すぎて、相手にされなかったためだ。ところが、ゴルフ用品のプライスゾーンが米国と似ているニュージーランドやフランスで試験販売をやったところ非常に成功している。
おカネを出しても自分に合ったいいクラブが欲しいユーザーはどの市場にもいる。そうしたユーザー層を開拓しようと米国、英国でも販売することにした。価格はかなり高いが、取扱店を限定して値崩れしないようにやる。数は追わない。
われわれも2年前まで米国で販売することは想定していなかった。ただ、ニュージーランドできちんと売れていることで、やれるのではないかと思った。米国は流通の利益がどんどんなくなり、(高額で流通マージンも大きいゼクシオが)店にも受け入れられる可能性が出てきた。
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