中原:出生率が今のまま1.4程度で推移するとすれば、2100年には6000万人を割り込む計算になります。計算上は100年経っても200年経っても、人口減少のスパイラルから抜け出せないということになります。
なんでこれだけ悪循環になってしまったのかというと、少子化が2世代にわたって続いてしまったからです。少子化を1世代だけで止めることができれば、まだ何とかなったと思うんですよ。ところが、今の状況から人口が減らないようにするためには、2世代連続で出生率が2.0を超えるようにならないといけないんですね。
まさに鈴木さんがおっしゃったように、人口が減少していっても幸せになれるような仕組みに変えていかないといけないと思います。まあ、人口が減っていくとはいっても、サッカーの顧客層の人数がそれに比例して減っていくかというと、私は必ずしもそうは考えていないのですが。
人口減の中では1人当たりGDPの増加を目指せ
鈴木:わかる、わかる。やっぱりサッカーがすばらしいエンターテインメント(娯楽)だとすると、なかなか減らないだろうって気はしますよね。
中原:これから日本人の働き方も柔軟に変わっていくなかで、定年も70~75歳ぐらいまで延びてきます。あるいは、そもそもフリーランスであれば定年がない。そういった流れのなかで、日本人の時間の使い方が仕事中心から、生きがいとか趣味にシフトしてくるのではないでしょうか。
だから政府や国に期待したいのは、国全体のGDPを伸ばすという目標は捨てて、1人当たりのGDPが減らなければいいという考えに改めてほしいということです。いくら経済成長率が高くたって、貧富の差が激しすぎるアメリカのような国になってもらっては意味がありません。あまり経済成長率に固執せずに、国民の生活が楽しくなる国づくりを目指してほしいですね。
鈴木:まさにおっしゃるとおりですね。
中原:この関連で言うと、アントラーズは観光業も本格的にやるというお話も聞いていますが、その経緯や今後の展開をお聞かせください。
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