「あたしンち」の表紙を作った男の堅実な仕事観 見ただけで欲しくなる作品はこうして生まれる

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関さんがデザイナーになった頃は、まだパソコンは導入されていなかった。

2000年頃からパソコンが導入されはじめ、現在は完全にパソコンのみで作業をしている。

中高年のデザイナーの中には、パソコンは若いスタッフに任せっきりの人もいるし、いまだに一切パソコンを使わず手描きでデザインしている人もいる。

パソコンに対応するのは大変ではなかったのだろうか?

「パソコンは若いアシスタントに教えてもらいました。『ごめーん、これどうやってやるの?』っていちいち聞きました。常日頃から若い子に、気楽に質問できる環境にしてなきゃいけないですね。ただ、あんまりフランクにしすぎるのもいいことばかりではないので、距離感には気を遣っていますね」

デザインはパソコンでの作業が当たり前になった。その後、コミュニケーションもパソコンやスマホを使ったSNSで行われるようになった。

関さんもツイッターのアカウントを持っていて、フォロワー数は7800人を超える。

自分が関わった作品についてツイートしたり、リツイートしたりしている。作家としては、自分の作品についてつぶやいてもらえるのは、とてもありがたいだろう。

「ツイッターがなかったら、もう少し仕事が減っていたかもしれないですね。ツイッターで僕の仕事を拡散してもらえるのは、とてもありがたいです。もちろん僕もできる限り、作品の宣伝はさせてもらってます。

普段のつぶやきは、なるべく自分が“面白いと思える物事”を発信するようにしてます。あと、なるべくネガティブなことはつぶやかないようにしています」

近年では本のデザインを意識する人が格段に増えたという。出版デザイナーを目指す若者も多いという。

いつの間にか若手デザイナーに追い上げられる立場に

「常々先輩デザイナーのいい仕事を見て背中を追いかけていましたけど、いつの間にか自分が若手デザイナーに追い上げられる立場になってます。

デザイナーという仕事は時代に密着してますから、同じ技術を持っていたら、若い人のほうが圧倒的に有利です。

だからと言って『時代遅れにならないように』って若者のまねをしてデザインしてもダメなんですよ。無理しても身に付かないというか、安易なまねは見抜かれちゃうんですね。

結局、自分でちゃんとそしゃくして、自分らしい作品を作らないとダメなんだな、と常々思います」

若い頃はデザイナーにはなりたくなかったという関さんだが、はたから見るとデザイナーが関さんの“天職”のように見える。

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