「あたしンち」の表紙を作った男の堅実な仕事観 見ただけで欲しくなる作品はこうして生まれる

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本人は、現在では自分の職業のことをどのように考えているのだろうか?

「僕はたぶんちょっと珍しいタイプなのかもしれません。アニメーターも経験しているのでラフのときに絵も描けるし、漫画以外の世界のことも興味を持って聞いちゃいます。それはデザイナーとして役に立ってるんじゃないかと思います。

あとは、とにかくずっと続けてきたのがよかったですね。実は30歳くらいのときには、全部投げ出してやめたいと思ったこともありました。当時は

『今後、ずーっとデザインだけをやり続けるのか~』

って少し憂鬱に思えました。今思えば、若気の至りみたいなもので、例えばイラストや写真でも勝負できるんじゃないか?と思っていたからだと思います。

年齢とともに『仕事を依頼していただけるのはなんてありがたいんだろう』と感謝するようになりました」

毎回、内容が変わり仕事の新鮮さが失われない

デザインの仕事は毎回、内容が変わるのが楽しいという。新しい仕事がくるたびに、新しい人に会い、新しいコンセプトで表紙を作る。仕事の新鮮さは失われない。

「僕は飽き性なので、いろいろなことができるのは楽しいです。ただ、それとこれとは別というか、実作業はしんどいです。年齢的に徹夜も厳しくなりました。しんどいからやめたい、って思うことはあるけど、いざやめたら、またやりたくなるんだろうなとも思います。

というか、そもそも家のローンもあるし、家族もいるし、まだまだ働き続けなきゃいけないんですけどね(笑)」

関さんにはこれからも、ひと目見ただけで欲しくてたまらなくなってしまう、漫画の表紙をデザインし続けてほしいと思った。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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